俳諧ガイド 目録

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百韻系

百韻系

百韻百韻の展開百韻系資料

百韻
芭蕉と百韻

 ・ 初期は、百韻を専らとし、五十韻・世吉も行い、次韻以後歌仙の興行が増えている。

 ・ 蕉風確立後の芭蕉は、歌仙を中心に興行し、連衆が多いときは臨機応変に、世吉・五十韻・百韻にしたと思われる。

→ 「俳諧の形式、一巻物についてのまとめ」を参照

百韻

 俳諧の形式の一つで100句からなる。

→ 「俳諧の形式、百韻等」を参照

百韻は、五七五の句と七七の句を交互に、計100句詠む。

五十韻

 五七五の句と七七の句を交互に、計50句詠む。百韻の後半を略した形。

世吉(四十四)

 五七五の句と七七の句を交互に、計44句詠む。百韻の二の折・三の折を略した形。

懐紙式

 百韻は、懐紙4枚に書き留めた。1枚目を初折、2枚目を二の折、3枚目を三の折、4枚目を名残の折とか後(のち)の折と呼んだ。
 懐紙を折り、両面に句を書き留める。4枚あるので8ページとなる。
 百韻は、初表・初裏、二表・二裏、三表・三裏、名表・名裏からなる。
 五十韻は、百韻の前半で、初表・初裏、二表・二裏。
 世吉は、初表・初裏、名表・名裏

 ※ 「名残」は興行中に湧く感情なので、完成後は「後」と呼ぶのが本来だが、完成後も名残が漂うと解釈し、ここでは「名残の折」を用いる。「後」は読み方も惑う。


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 │       百 韻       ││   五十韻   ││ 世吉(四十四) │
 ├────┬──┬──┬──┬───┤├──┬──┬──┤├──┬──┬──┤
 │懐  紙│面称│句数│月花│ 句数 ││句数│月花│句数││句数│月花│句数│
 ├────┼──┼──┼──┼───┤├──┼──┼──┤├──┼──┼──┤
 │    │ 表│ 8│ 月│   ││ 8│ 月│  ││ 8│ 月│  │
 │初  折├──┼──┼──┤ 22│├──┼──┤22│├──┼──┤22│
 │    │ 裏│14│月花│   ││14│月花│  ││14│月花│  │
 ├────┼──┼──┼──┼───┤├──┼──┼──┤├──┴──┴──┤
 │    │ 表│14│ 月│   ││14│ 月│  ││        │
 │二 の 折├──┼──┼──┤ 28│├──┼──┤28││        │
 │    │ 裏│14│月花│   ││14│月花│  ││        │
 ├────┼──┼──┼──┼───┤├──┴──┴──┤│ 中2折を省略 │
 │    │ 表│14│ 月│   ││        ││        │ 
 │三 の 折├──┼──┼──┤ 28││        ││        │ 
 │    │ 裏│14│月花│   ││        ││        │
 ├────┼──┼──┼──┼───┤│ 後2折を省略 │├──┬──┬──┤
 │    │ 表│14│ 月│   ││        ││14│ 月│  │
 │名残の折├──┼──┼──┤ 22││        │├──┼──┤22│
 │    │ 裏│ 8│ 花│   ││        ││ 8│ 花│  │
 └────┴──┴──┴──┼───┤└─────┬──┤└──┴──┼──┤
               │100│      │50│      │44│
               └───┘      └──┘      └──┘

 ※ この他、百韻首尾(16句)・七十二候(72句)があるが、芭蕉一座の俳諧にはない。



百韻系資料

 芭蕉一座、百韻系俳諧の発句(頭5字のみ)を示す。

 貞享元年の「冬の日」前、百韻・歌仙はほぼ同数であったが、蕉風開眼の「冬の日」以後、百韻の興行はわずか2回で、ほぼ歌仙の興行となっている。  → 「俳諧の形式、一巻物」

 「冬の日」以後、百韻系の興行は、人数の多いときに行われたと言える。

芭蕉一座の百韻系俳諧
寛文5【百】11月。「野は雪にか」6吟。伊賀蝉吟亭
延宝3【百】5月。「いと涼しき」10吟。江戸
延宝4【百】春。「此梅に牛も」2吟。江戸/
【百】春。「梅の風俳諧」2吟。江戸
延宝5【百】冬。「あら何共な」3吟。江戸
延宝6【百】春。「さぞな都浄」3吟。江戸/
【百】春。「物の名も蛸」3吟。江戸/
【百】秋。「色付や豆腐」2吟。江戸
延宝7【百】秋。「須磨ぞ秋志」3吟。江戸四友亭/
【百】秋。「見渡せば詠」3吟。江戸四友亭
天和元【百】7月。「春澄にとへ」4吟。江戸/
【百】7月。「世に有て家」4吟。江戸/
【五十】7月。「鷺の足雉脛」4吟。江戸[江戸(次韻)]
天和2【百】春。「錦どる都に」13吟。江戸/
【世】春。「田螺とられ」7吟。[江戸]
貞享2【古百】6月2日、江戸小石川。賦花何俳諧之連歌「涼しさの」百韻。清風・芭蕉・嵐雪・其角・才丸・コ斎・素堂。7花7月。
貞享3【百】1月。「日の春をさ」17吟。江戸
貞享4【世】10月。「旅人と我名」11吟。其角亭[江戸]
貞享5
元禄元
【五十】6月。「蓮池の中に」15吟。岐阜[笈小文後]
元禄2【五十】7月。「ぬれて行や」11吟。小松亨子亭[奥細道]/
【世】7月。「しほらしき」10吟。小松皷蟾宅[奥細道]/
【五十】11月。「とりどりの」15吟。伊賀半残亭[奥細道後]/
【五十】11月。「暁や雪をす」9吟。伊賀蓑虫庵[奥細道後]
元禄3【古式】3月2日、伊賀上野。誹諧之連歌「木の本に」40句迄。芭蕉・風麦・良品・土芳・雷洞・半残・三園・木白。2花3月。
元禄7【五十】9月。「松風に新酒」7吟。伊賀猿雖亭[枯野、最後の旅]