松尾芭蕉 発句集(五十音順)

五十音索引

DBメニュー
松尾芭蕉 発句集芭蕉七部集の連句芭蕉七部集の連句(訳・釈)
蕉門関連俳書江戸時代俳人芭蕉翁出座俳諧俳諧の諸形式と芭蕉

 

 

松尾芭蕉 発句集

あ・わ行

発句読み制作年
1於春々大哉春と云々ああはるはる/おおいなるかな/はるとうんぬん延宝8
2青くてもあるべきものを唐辛子あおくても/あるべきものを/とうがらし元禄5
3青ざしや草餅の穂に出でつらんあおざしや/くさもちのほに/いでつらん天和3
4青柳の泥にしだるる潮干かなあおやぎの/どろにしだるる/しおひかな元禄7
5あかあかと日はつれなくも秋の風あかあかと/ひはつれなくも/あきのかぜ元禄2
6秋風に折れて悲しき桑の杖あきかぜに/おれてかなしき/くわのつえ元禄6
7秋風の吹けども青し栗の毬あきかぜの/ふけどもあおし/くりのいが元禄4
8秋風の遣戸の口やとがり声あきかぜの/やりどのくちや/とがりごえ寛文7
9秋風や桐に動きて蔦の霜あきかぜや/きりにうごきて/つたのしも元禄4
10秋風や薮も畠も不破の関あきかぜや/やぶもはたけも/ふわのせき貞享1
11秋来にけり耳を訪ねて枕の風あききにけり/みみをたずねて/まくらのかぜ延宝5
12秋来ぬと妻恋ふ星や鹿の革あききぬと/つまこうほしや/しかのかわ延宝6
13秋涼し手ごとにむけや瓜茄子あきすずし/てごとにむけや/うりなすび元禄2
14秋近き心の寄るや四畳半あきちかき/こころのよるや/よじょうはん元禄7
15秋十年却って江戸を指す故郷あきととせ/かえってえどを/さすこきょう貞享1
16秋に添うて行かばや末は小松川あきにそうて/いかばやすえは/こまつがわ元禄5
17秋の色糠味噌壷もなかりけりあきのいろ/ぬかみそつぼも/なかりけり元禄4
18秋の風伊勢の墓原なほ凄しあきのかぜ/いせのはかはら/なおすごし元禄2
19秋の夜を打ち崩したる咄かなあきのよを/うちくずしたる/はなしかな元禄7
20秋深き隣は何をする人ぞあきふかき/となりはなにを/するひとぞ元禄7
21秋もはやはらつく雨に月の形あきもはや/はらつくあめに/つきのなり元禄7
22秋を経て蝶もなめるや菊の露あきをへて/ちょうもなめるや/きくのつゆ貞享5
23曙はまだ紫にほととぎすあけぼのは/まだむらさきに/ほととぎす元禄3
24あけぼのや白魚白きこと一寸あけぼのや/しらうおしろきこと/いっすん貞享1
25明け行くや二十七夜も三日の月あけゆくや/にじゅうしちやも/みかのつき貞享3
26あこくその心も知らず梅の花あこくその/こころもしらず/うめのはな貞享5
27朝顔に我は飯食う男哉あさがおに/われはめしくう/おとこかな天和2
28朝顔は酒盛知らぬ盛り哉あさがおは/さかもりしらぬ/さかりかな貞享5
29朝顔は下手の書くさへあはれなりあさがおは/へたのかくさえ/あわれなり貞享4
30蕣や是も又我が友ならずあさがおや/これもまたわが/ともならず元禄6
31朝顔や昼は錠おろす門の垣あさがおや/ひるはじょうおろす/もんのかき元禄6
32朝茶飲む僧静かなり菊の花あさちゃのむ/そうしずかなり/きくのはな元禄4
33朝露や撫でて涼しき瓜の土あさつゆや/なでてすずしき/うりのつち元禄7
34朝な朝な手習ひすすむきりぎりすあさなあさな/てならいすすむ/きりぎりす貞享~元禄
35あさむつや月見の旅の明け離れあさむつや/つきみのたびの/あけはなれ元禄2
36朝夜さを誰がまつしまぞ片心あさよさを/たがまつしまぞ/かたごころ貞享5
37足洗うてつひ明けやすき丸寝かなあしあろうて/ついあけやすき/まるねかな貞享5
38紫陽花や帷子時の薄浅黄あじさいや/かたびらどきの/うすあさぎ貞享元禄?
39紫陽花や薮を小庭の別座舗あじさいや/やぶをこにわの/べつざしき元禄7
40明日の月雨占なはん比那が嶽あすのつき/あめうらなわん/ひながたけ元禄2
41明日は粽難波の枯葉夢なれやあすはちまき/なにわのかれは/ゆめなれや延宝5
42遊び来ぬ鰒釣りかねて七里まであそびきぬ/ふぐつりかねて/しちりまで貞享1
43あち東風や面々さばき柳髪あちこちや/めんめんさばき/やなぎがみ寛文7
44暑き日を海に入れたり最上川あつきひを/うみにいれたり/もがみがわ元禄2
45あつみ山や吹浦かけて夕涼みあつみやまや/ふくうらかけて/ゆうすずみ元禄2
46あなたふと木の下闇も日の光あなとうと/このしたやみも/ひのひかり元禄2
47あなむざんやな甲の下のきりぎりすあなむざんやな/かぶとのしたの/きりぎりす元禄2
48あの雲は稲妻を待つたより哉あのくもは/いなずまをまつ/たよりかな貞享5
49あの中に蒔絵書きたし宿の月あのなかに/まきえかきたし/やどのつき貞享5
50海士の顔まづ見らるるや芥子の花あまのかお/まずみらるるや/けしのはな貞享5
51海士の屋は小海老にまじるいとど哉あまのやは/こがいにまじる/いとどかな元禄3
52雨折々思ふことなき早苗哉あめおりおり/おもうことなき/さなえかな貞享~元禄
53雨の日や世間の秋を堺町あめのひや/せけんのあきを/さかいまち延宝6
54あやめ生ひけり軒の鰯のされかうべあやめおいけり/のきのいわしの/されこうべ延宝6
55あやめ草足に結ばん草履の緒あやめぐさ/あしにむすばん/わらじのお元禄2
56鮎の子の白魚送る別れ哉あゆのこの/しらうおおくる/わかれかな元禄2
57荒海や佐渡に横たふ天の河あらうみや/さどによことう/あまのがわ元禄2
58嵐山藪の茂りや風の筋あらしやま/やぶのしげりや/かぜのすじ元禄4
59あらたふと青葉若葉の日の光あらとうと/あおばわかばの/ひのひかり元禄2
60あら何ともなや昨日は過ぎて河豚汁あらなんともなや/きのうはすぎて/ふぐとじる延宝5
61霰聞くやこの身はもとの古柏あられきくや/このみはもとの/ふるがしわ天和3
62霰せば網代の氷魚を煮て出さんあられせば/あじろのひおを/にてださん元禄2
63霰まじる帷子雪は小紋かなあられまじる/かたびらゆきは/こもんかな寛文7
64有明も三十日に近し餅の音ありあけも/みそかにちかし/もちのおと元禄6
65有難き姿拝まんかきつばたありがたき/すがたおがまん/かきつばた貞享5
66ありがたやいただいて踏む橋の霜ありがたや/いただいてふむ/はしのしも元禄6
67ありがたや雪をかをらす南谷ありがたや/ゆきをかおらす/みなみだに元禄2
68有とあるたとへにも似ず三日の月ありとある/たとへにもにず/みかのつき貞享5
69粟稗にとぼしくもあらず草の庵あわひえに/とぼしくもあらず/くさのいお貞享5
70家はみな杖に白髪の墓参りいえはみな/つえにしらがの/はかまいり元禄7
71烏賊売の声まぎらはし杜宇いかうりの/こえまぎらわし/ほととぎす元禄7
72いかめしき音や霰の檜木笠いかめしき/おとやあられの/ひのきがさ貞享1
73生きながら一つに氷る海鼠かないきながら/ひとつにこおる/なまこかな元禄6
74幾霜に心ばせをの松飾りいくしもに/こころばしょうの/まつかざり貞享3
75いざ出でむ雪見にころぶ所までいざいでん/ゆきみにころぶ/ところまで貞享4
76いざ子供走りありかん玉霰いざこども/はしりありかん/たまあられ元禄2
77いざ子供昼顔咲きぬ瓜剥かんいざこども/ひるがおさきぬ/うりむかん元禄6
78いざさらば雪見にころぶ所までいざさらば/ゆきみにころぶ/ところまで貞享4
79いざ共に穂麦喰はん草枕いざともに/ほむぎくらわん/くさまくら貞享2
80いざ行かむ雪見にころぶ所までいざゆかん/ゆきみにころぶ/ところまで貞享4
81いざよひのいづれか今朝に残る菊いざよいの/いづれかけさに/のこるきく貞享5
82十六夜の月と見やはせ残る菊いざよいの/つきとみはやせ/のこるきく貞享5
83十六夜はわづかに闇の初め哉いざよいは/わずかにやみの/はじめかな元禄6
84十六夜もまだ更科の郡かないざよいも/まださらしなの/こおりかな貞享5
85十六夜や海老煮るほどの宵の闇いざよいや/えびにるほどの/よいのやみ元禄4
86漁り火に鰍や浪の下むせびいさりびに/かじかやなみの/したむせび元禄2
87石枯れて水しぼめるや冬もなしいしかれて/みずしぼめるや/ふゆもなし延宝8
88石の香や夏草赤く露暑しいしのかや/なつくさあかく/つゆあつし元禄2
89石山の石にたばしる霰哉いしやまの/いしにたばしる/あられかな元禄4
90石山の石より白し秋の風いしやまの/いしよりしろし/あきのかぜ元禄2
91市人にいで是売らむ笠の雪いちびとに/いでこれうらん/かさのゆき貞享1
92市人よこの笠売らう雪の笠いちびとよ/このかさうろう/ゆきのかさ貞享1
93いづく時雨傘を手に提げて帰る僧いづくしぐれ/かさをてにさげて/かえるそう延宝8
94五つ六つ茶の子にならぶ囲炉裏哉いつつむつ/ちゃのこにならぶ/いろりかな元禄1
95凍て解けて筆に汲み干す清水哉いてとけて/ふでにくみほす/しみずかな貞享4
96いでや我よき布着たり蝉衣いでやわれ/よきぬのきたり/せみごろも貞享4
97糸桜こや帰るさの足もつれいとざくら/こやかえるさの/あしもつれ寛文7
98糸遊に結びつきたる煙哉いとゆうに/むすびつきたる/けむりかな元禄2
99稲雀茶の木畠や逃げ処いなすずめ/ちゃのきばたけや/にげどころ元禄4
100稲妻に悟らぬ人の貴さよいなずまに/さとらぬひとの/たっとさよ元禄3
101稲妻や顔のところが薄の穂いなずまや/かおのところが/すすきのほ元禄7
102稲妻や闇の方行く五位の声いなずまや/やみのかたいく/ごいのこえ元禄7
103稲妻を手にとる闇の紙燭哉いなずまを/てにとるやみの/しそくかな貞享4
104稲こきの姥もめでたし菊の花いねこきの/うばもめでたし/きくのはな元禄4
105 ゐ猪の床にも入るやきりぎりすいのししの/とこにもいるや/きりぎりす元禄7
106 ゐ猪もともに吹かるる野分かないのししも/ともにふかるる/のわきかな元禄3
107命こそ芋種よまた今日の月いのちこそ/いもだねよまた/きょうのつき寛文1
108命なりわづかの笠の下涼みいのちなり/わずかのかさの/したすずみ延宝4
109命二つの中にいきたる桜かないのちふたつの/なかにいきたる/さくらかな貞享2
110芋洗ふ女西行ならば歌詠まむいもあらうおんな/さいぎょうならば/うたよまん貞享1
111芋植ゑて門は葎の若葉かないもうえて/かどはむぐらの/わかばかな貞享5
112芋の葉や月待つ里の焼畑いものはや/つきまつさとの/やけばたけ貞享4
113いらご崎似るものもなし鷹の声いらござき/にるものもなし/たかのこえ貞享4
114入逢の鐘もきこえず春の暮いりあいの/かねもきこえず/はるのくれ元禄2
115入りかかる日も糸遊の名残かないりかかる/ひもいとゆうの/なごりかな元禄2
116入る月の跡は机の四隅哉いるつきの/あとはつくえの/よすみかな元禄6
117色付くや豆腐に落ちて薄紅葉いろづくや/とうふにおちて/うすもみじ延宝5
118岩躑躅染むる涙やほととぎ朱いわつつじ/そむるなみだや/ほととぎしゅ寛文7
119植うる事子のごとくせよ児桜ううること/このごとくせよ/ちござくら寛文?
120魚鳥の心は知らず年忘れうおとりの/こころはしらず/としわすれ元禄4
121うかれける人や初瀬の山桜うかれける/ひとやはつせの/やまざくら寛文7
122憂き人の旅にも習へ木曽の蝿うきひとの/たびにもならえ/きそのはえ元禄6
123憂き節や竹の子となる人の果てうきふしや/たけのことなる/ひとのはて元禄4
124憂き我をさびしがらせよ閑古鳥うきわれを/さびしがらせよ/かんこどり元禄4
125憂きわれを寂しがらせよ秋の寺うきわれを/さみしがらせよ/あきのてら元禄2
126鶯の笠落したる椿かなうぐいすの/かさおとしたる/つばきかな元禄3
127鶯や竹の子薮に老を鳴くうぐいすや/たけのこやぶに/おいをなく元禄7
128鶯や餅に糞する縁の先うぐいすや/もちにふんする/えんのさき元禄5
129鶯や柳のうしろ薮の前うぐいすや/やなぎのうしろ/やぶのまえ元禄7
130鶯を魂にねむるか矯柳うぐいすを/たまにねむるか/たおやなぎ天和3
131牛部屋に蚊の声暗き残暑哉うしべやに/かのこえくらき/ざんしょかな元禄4
132埋火も消ゆや涙の烹ゆる音うずみびも/きゆやなみだの/にゆるおと貞享5
133埋火や壁には客の影法師うずみびや/かべにはきゃくの/かげぼうし元禄5
134うたがふな潮の花も浦の春うたごうな/うしおのはなも/うらのはる元禄2,4
135うち山や外様しらずの花盛りうちやまや/とざましらずの/はなざかり寛文10
136打ち寄りて花入探れ梅椿うちよりて/はないれさぐれ/うめつばき元禄5
137団扇もてあふがん人のうしろむきうちわもて/あおがんひとの/うしろむき貞享2
138美しきその姫瓜や后ざねうつくしき/そのひめうりや/きさきざね寛文12
139卯の花も母なき宿ぞ冷じきうのはなも/ははなきやどぞ/すさまじき貞享4
140卯の花や暗き柳の及び腰うのはなや/くらきやなぎの/およびごし元禄7
141姥桜咲くや老後の思ひ出うばざくら/さくやろうごの/おもいいで寛文4
142馬方は知らじ時雨の大井川うまかたは/しらじしぐれの/おおいがわ元禄4
143馬に寝て残夢月遠し茶のけぶりうまにねて/ざんむつきとおし/ちゃのけぶり貞享1
144馬ぼくぼく我を絵に見る夏野かなうまぼくぼく/われをえにみる/なつのかな天和3
145馬をさえ眺むる雪の朝かなうまをさえ/ながむるゆきの/あしたかな貞享1
146海暮れて鴨の声ほのかに白しうみくれて/かものこえ/ほのかにしろし貞享1
147海は晴れて比叡降り残す五月哉うみははれて/ひえふりのこす/さつきかな貞享5
148梅が香に追ひもどさるる寒さかなうめがかに/おいもどさるる/さむさかな貞享~元禄
149梅が香にのつと日の出る山路哉うめがかに/のっとひのでる/やまじかな元禄7
150梅が香に昔の一字あはれなりうめがかに/むかしのいちじ/あわれなり元禄7
151梅が香やしらら落窪京太郎うめがかや/しららおちくぼ/きょうたろう元禄4
152梅が香や見ぬ世の人に御意を得るうめがかや/みぬよのひとに/ぎょいをうる貞享~元禄
153梅恋ひて卯の花拝む涙かなうめこいて/うのはなおがむ/なみだかな貞享2
154梅白し昨日や鶴を盗まれしうめしろし/きのうやつるを/ぬすまれし貞享2
155梅椿早咲き褒めん保美の里うめつばき/はやざきほめん/ほびのさと貞享4
156梅の木に猶宿り木や梅の花うめのきに/なおやどりぎや/うめのはな貞享5
157梅稀に一もとゆかし子良の舘うめまれに/ひともとゆかし/こらのたち貞享5
158梅柳さぞ若衆かな女かなうめやなぎ/さぞわかしゅかな/おんなかな天和2
159梅若菜丸子の宿のとろろ汁うめわかな/まりこのしゅくの/とろろじる元禄4
160うらやまし浮世の北の山桜うらやまし/うきよのきたの/やまざくら元禄5
161瓜作る君があれなと夕涼みうりつくる/きみがあれなと/ゆうすずみ貞享4
162瓜の皮剥いたところや蓮台野うりのかわ/むいたところや/れんだいの元禄7
163瓜の花雫いかなる忘れ草うりのはな/しずくいかなる/わすれぐさ貞享1~4
164叡慮にて賑わふ民の庭竈えいりょにて/にぎわうたみの/にわかまど元禄1
165枝ぶりの日ごとに変る芙蓉かなえだぶりの/ひごとにかわる/ふようかな元禄2
166枝もろし緋唐紙破る秋の風えだもろし/ひとうしやぶる/あきのかぜ延宝5
167榎の実散る椋の羽音や朝嵐えのみちる/むくのはおとや/あさあらし貞享~元禄
168恵比須講酢売に袴着せにけりえびすこう/すうりにはかま/きせにけり元禄6
169艶ナル奴今様花に弄斎スえんなるやっこ/いまようはなに/ろうさいす天和2
170老の名のありとも知らで四十雀おいのなの/ありともしらで/しじゅうから元禄6
171笈も太刀も五月に飾れ紙幟おいもたちも/さつきにかざれ/かみのぼり元禄2
172 あ近江蚊屋汗やさざ波夜の床おうみがや/あせやさざなみ/よるのとこ延宝5
173大井川波に塵なし夏の月おおいがわ/なみにちりなし/なつのつき元禄7
174狼も一夜はやどせ萩がもとおおかみも/ひとよはやどせ/はぎがもと貞享4
175 あ扇にて酒くむかげや散る桜おおぎにて/さけくむかげや/ちるさくら貞享5
176祖父親孫の栄えや柿蜜柑おおじおや/まごのさかえや/かきみかん元禄4
177大津絵の筆のはじめは何仏おおつえの/ふでのはじめは/なにぼとけ元禄4
178大比叡やしの字を引いて一霞おおひえや/しのじをひいて/ひとがすみ延宝5
179起きあがる菊ほのかなり水のあとおきあがる/きくほのかなり/みずのあと貞享4
180 を荻の声こや秋風の口うつしおぎのこえ/こやあきかぜの/くちうつし寛文7
181 を荻の穂や頭をつかむ羅生門おぎのほや/かしらをつかむ/らしょうもん元禄4
182起きよ起きよ我が友にせん寝る胡蝶おきよおきよ/わがともにせん/ねるこちょう天和1
183送られつ別れつ果ては木曽の秋おくられつ/わかれつはては/きそのあき貞享5
184 を幼名や知らぬ翁の丸頭巾おさななや/しらぬおきなの/まるずきん貞享~元禄
185落ち来るや高久の宿の郭公おちくるや/たかくのしゅくの/ほととぎす元禄2
186衰ひや歯に喰ひ当てし海苔の砂おとろいや/はにくいあてし/のりのすな元禄4
187己が火を木々に蛍や花の宿おのがひを/きぎにほたるや/はなのやど元禄3
188 を小野炭や手習ふ人の灰ぜせりおのずみや/てなろうひとの/はいぜせり延宝8
189御命講や油のような酒五升おめいこや/あぶらのような/さけごしょう元禄5
190思ひ立つ木曽や四月の桜狩りおもいたつ/きそやしがつの/さくらがり貞享2
191俤や姥ひとり泣く月の友おもかげや/うばひとりなく/つきのとも貞享5
192おもしろうてやがて悲しき鵜舟かなおもしろうて/やがてかなしき/うぶねかな貞享5
193おもしろき秋の朝寝や亭主ぶりおもしろき/あきのあさねや/ていしゅぶり元禄7
194面白し雪にやならん冬の雨おもしろし/ゆきにやならん/ふゆのあめ貞享4
195おもしろや今年の春も旅の空おもしろや/ことしのはるも/たびのそら元禄2
196阿蘭陀も花に来にけり馬に鞍おらんだも/はなにきにけり/うまにくら延宝6
197 を折々に伊吹を見ては冬籠りおりおりに/いぶきをみては/ふゆごもり元禄4
198 を折々は酢になる菊の肴かなおりおりは/すになるきくの/さかなかな元禄4

か行

→索引へ
発句読み制作年
199顔に似ぬ発句も出でよ初桜かおににぬ/ほっくもいでよ/はつざくら元禄7
200かゞり火に鰍や波の下むせびかがりびに/かじかやなみの/したむせび元禄2
201杜若語るも旅のひとつかなかきつばた/かたるもたびの/ひとつかな貞享5
202杜若似たりや似たり水の影かきつばた/にたりやにたり/みずのかげ寛文7
203杜若われに発句の思ひありかきつばた/われにほっくの/おもいあり貞享2
204牡蠣よりは海苔をば老の売りもせでかきよりは/のりをばおいの/うりもせで貞享4
205隠さぬぞ宿は菜汁に唐辛子かくさぬぞ/やどはなじるの/とうがらし貞享5
206隠れ家や月と菊とに田三反かくれがや/つきときくとに/たさんたん元禄2
207隠れ家や目だたぬ花を軒の栗かくれがや/めだたぬはなを/のきのくり元禄2
208かくれけり師走の海のかいつぶりかくれけり/しわすのうみの/かいつぶり元禄3
209景清も花見の座には七兵衛かげきよも/はなみのざには/しちびょうえ貞享~元禄
210影は天の下照る姫か月の顔かげはあめの/したてるひめか/つきのかお寛文7
211桟橋や命をからむ蔦葛かけはしや/いのちをからむ/つたかずら貞享5
212桟橋や先づ思い出づ駒迎へかけはしや/まずおもいいず/こまむかえ貞享5
213影待や菊の香のする豆腐串かげまちや/きくのかのする/とうふぐし元禄6
214かげろふの我が肩に立つ紙子かなかげろうの/わがかたにたつ/かみこかな元禄2
215陽炎や柴胡の糸の薄曇りかげろうや/さいこのいとの/うすぐもり元禄3
216かげろふに俤つくれ石の上かげろふに/おもかげつくれ/いしのうえ貞享5
217風色やしどろに植ゑし庭の秋かざいろや/しどろにうえし/にわのあき元禄7
218笠島はいづこ五月のぬかり道かさじまは/いずこさつきの/ぬかりみち元禄2
219笠寺や漏らぬ岩屋も春の雨かさでらや/もらぬいわやも/はるのあめ貞享4
220笠もなきわれを時雨るるかこは何とかさもなき/われをしぐるるか/こはなんと貞享1
221樫の木の花にかまはぬ姿かなかしのきの/はなにかまわぬ/すがたかな貞享2
222被き伏す蒲団や寒き夜やすごきかずきふす/ふとんやさむき/よやすごき元禄1
223数ならぬ身とな思ひそ玉祭かずならぬ/みとなおもいそ/たままつり元禄7
224風薫る羽織は襟もつくろはずかぜかおる/はおりはえりも/つくろわず元禄4
225風の香も南に近し最上川かぜのかも/みなみにちかし/もがみがわ元禄2
226風吹けば尾細うなる犬桜かぜふけば/おほそうなる/いぬざくら寛文7
227数へ来ぬ屋敷屋敷の梅柳かぞえきぬ/やしきやしきの/うめやなぎ元禄5
228かたつぶり角振り分けよ須磨明石かたつぶり/つのふりわけよ/すまあかし貞享5
229語られぬ湯殿にぬらす袂かなかたられぬ/ゆどのにぬらす/たもとかな元禄2
230徒歩ならば杖突坂を落馬かなかちならば/つえつきさかを/らくばかな貞享4
231鰹売りいかなる人を酔はすらんかつおうり/いかなるひとを/よわすらん貞享4
232桂男すまずなりけり雨の月かつらおとこ/すまずなりけり/あめのつき寛文9
233門松やおもへば一夜三十年かどまつや/おもえばいちや/さんじゅうねん延宝5
234悲しまんや墨子芹焼を見ても猶かなしまんや/ぼくしせりやきを/みてもなお延宝8
235香に匂へうに掘る岡の梅の花かににおえ/うにほるおかの/うめのはな貞享5
236鐘消えて花の香は撞く夕哉かねきえて/はなのかはつく/ゆうべかな貞享1~4
237鐘撞かぬ里は何をか春の暮かねつかぬ/さとはなにをか/はるのくれ元禄2
238甲比丹もつくばはせけり君が春かぴたんも/つくばわせけり/きみがはる延宝6
239鎌倉を生きて出でけん初鰹かまくらを/いきていでけん/はつがつお元禄5
240噛み当つる身のおとろひや海苔の砂かみあつる/みのおとろいや/のりのすな元禄4
241紙衣の濡るとも折らん雨の花かみぎぬの/ぬるともおらん/あめのはな貞享5
242髪生えて容顔青し五月雨かみはえて/ようがんあおし/さつきあめ貞享4
243瓶割るる夜の氷の寝覚め哉かめわるる/よるのこおりの/ねざめかな貞享3
244傘に押し分けみたる柳かなからかさに/おしわけみたる/やなぎかな元禄7
245辛崎の松は花より朧にてからさきの/まつははなより/おぼろにて貞享2
246乾鮭も空也の痩も寒の中からざけも/くうやのやせも/かんのうち元禄3
247唐破風の入日や薄き夕涼みからはふの/いりひやうすき/ゆうすずみ元禄5
248刈り跡や早稲かたかたの鴫の声かりあとや/わせかたがたの/しぎのこえ貞享5
249刈りかけし田面の鶴や里の秋かりかけし/たづらのつるや/さとのあき貞享4
250雁聞きに京の秋に赴かんかりききに/みやこのあきに/おもむかん元禄3
251雁さわぐ鳥羽の田面や寒の雨かりさわぐ/とばのたづらや/かんのあめ元禄4
252借りて寝ん案山子の袖や夜半の霜かりてねん/かかしのそでや/よわのしも貞享~元禄
253枯枝に烏のとまりたるや秋の暮かれえだに/からすのとまりたるや/あきのくれ延宝8
254枯芝ややや陽炎の一二寸かれしばや/ややかげろうの/いちにすん貞享5
255獺の祭見て来よ瀬田の奥かわうその/まつりみてこよ/せたのおく元禄3
256川風や薄柿着たる夕涼みかわかぜや/うすがききたる/ゆうすずみ元禄3
257川上とこの川下や月の友かわかみと/このかわしもや/つきのとも元禄5
258香を探る梅に蔵見る軒端かなかをさぐる/うめにくらみる/のきばかな貞享4
259香を残す蘭帳蘭のやどり哉かをのこす/らんちょうらんの/やどりかな貞享~元禄
260神垣や思ひもかけず涅槃像かんがきや/おもいもかけず/ねはんぞう貞享5
261寒菊や醴造る窓の前かんぎくや/あまざけつくる/まどのさき元禄6
262寒菊や粉糠のかかる臼の端かんぎくや/こぬかのかかる/うすのはた元禄6
263元日は田毎の日こそ恋しけれがんじつは/たごとのひこそ/こいしけれ元禄2
264元日や思えばさびし秋の暮がんじつや/おもえばさみし/あきのくれ天和3
265観音のいらか見やりつ花の雲かんのんの/いらかみやりつ/はなのくも貞享3
266灌仏の日に生まれあふ鹿の子かなかんぶつの/ひにうまれおう/かのこかな貞享5
267灌仏や皺手合する数珠の音かんぶつや/しわであわする/じゅずのおと元禄7
268菊鶏頭切り尽しけり御命講きくけいとう/きりつくしけり/おめいこう元禄1
269菊に出でて奈良と難波は宵月夜きくにいでて/ならとなにわは/よいづきよ元禄7
270菊の香にくらがり登る節句かなきくのかに/くらがりのぼる/せっくかな元禄7
271菊の香や奈良には古き仏たちきくのかや/ならにはふるき/ほとけたち元禄7
272菊の香や奈良は幾世の男ぶりきくのかや/ならはいくよの/おとこぶり元禄7
273菊の香や庭に切れたる靴の底きくのかや/にわにきれたる/くつのそこ元禄6
274菊の露落ちて拾へば零余子かなきくのつゆ/おちてひろえば/ぬかごかな元禄2?
275菊の後大根の外更になしきくののち/だいこんのほか/さらになし元禄4?
276菊の花咲くや石屋の石の間きくのはな/さくやいしやの/いしのあい元禄6
277象潟や雨に西施が合歓の花きさがたや/あめにせいしが/ねぶのはな元禄2
278木曽の情雪や生えぬく春の草きそのじょう/ゆきやはえぬく/はるのくさ元禄4
279木曽の橡浮世の人の土産かなきそのとち/うきよのひとの/みやげかな貞享5
280木曽の痩せもまだなほらぬに後の月きそのやせも/まだなおらぬに/のちのつき貞享5
281木啄も庵は破らず夏木立きつつきも/いおはやぶらず/なつこだち元禄2
282来てみれば獅子に牡丹のすまひかなきてみれば/ししにぼたんの/すまいかな貞享5
283きてもみよ甚平が羽織花衣きてもみよ/じんべがはおり/はなごろも寛文12
284碪打ちて我に聞かせよや坊が妻きぬたうちて/われにきかせよや/ぼうがつま貞享1
285昨日からちよつちよと秋も時雨かなきのうから/ちょっちょと/あきもしぐれかな元禄7
286きみ火をたけよき物見せん雪丸げきみひをたけ/よきものみせん/ゆきまるげ貞享3
287君や蝶我や荘子が夢心きみやちょう/われやそうじが/ゆめごころ元禄3
288京に飽きてこの木枯や冬住ひきょうにあきて/このこがらしや/ふゆずまい元禄4
289京にても京なつかしやほととぎすきょうにても/きょうなつかしや/ほととぎす元禄3
290けふの今宵寝る時もなき月見哉きょうのこよい/ねるときもなき/つきみかな寛文?
291今日ばかり人も年寄れ初時雨きょうばかり/ひともとしよれ/はつしぐれ元禄5
292京は九万九千くんじゅの花見哉きょうはくまん/くせんくんじゅの/はなみかな寛文6
293京まではまだ半空や雪の雲きょうまでは/まだなかぞらや/ゆきのくも貞享4
294今日よりや書付消さん笠の露きょうよりや/かきつけけさん/かさのつゆ元禄2
295清く聞かん耳に香焼いて郭公きよくきかん/みみにこうたいて/ほととぎす天和3
296清滝の水汲ませてやところてんきよたきの/みずくませてや/ところてん元禄7
297清滝や波に塵なき夏の月きよたきや/なみにちりなき/なつのつき元禄7
298梧動く秋の終りや蔦の霜きりうごく/あきのおわりや/つたのしも元禄4
299きりぎりす忘れ音に啼く火燵哉きりぎりす/わすれねになく/こたつかな元禄3
300霧雨の空を芙蓉の天気哉きりさめの/そらをふようの/てんきかな元禄5
301霧しぐれ富士を見ぬ日ぞおもしろききりしぐれ/ふじをみぬひぞ/おもしろき貞享1
302桐の木に鶉鳴くなる塀の内きりのきに/うずらなくなる/へいのうち元禄3
303木を切りて本口見るや今日の月きをきりて/もとくちみるや/きょうのつき延宝5
304金屏の松の古さよ冬籠りきんびょうの/まつのふるさよ/ふゆごもり元禄6
305愚案ずるに冥土もかくや秋の暮ぐあんずるに/めいどもかくや/あきのくれ延宝8
306水鶏啼くと人のいへばや佐屋泊りくいななくと/ひとのいえばや/さやどまり元禄7
307草いろいろおのおの花の手柄かなくさいろいろ/おのおのはなの/てがらかな貞享5
308草の戸に茶を木の葉掻く嵐哉くさのとに/ちゃをこのはかく/あらしかな延宝8
309草の戸の月やそのままあみだ坊くさのとの/つきやそのまま/あみだぼう貞享~元禄
310草の戸も住み替る代ぞ雛の家くさのとも/すみかわるよぞ/ひなのいえ元禄2
311草の戸や日暮れてくれし菊の酒くさのとや/ひぐれてくれし/きくのさけ元禄4
312草の戸を知れや穂蓼に唐辛子くさのとを/しれやほたでに/とうがらし元禄3
313草の葉を落つるより飛ぶ蛍哉くさのはを/おつるよりとぶ/ほたるかな貞享5
314草枕犬も時雨るるか夜の声くさまくら/いぬもしぐるるか/よるのこえ貞享1
315草枕まことの華見しても来よくさまくら/まことのはなみ/してもこよ元禄3
316草も木も離れ切つたるひばりかなくさもきも/はなれきったる/ひばりかな貞享4
317葛の葉の面見せけり今朝の霜くずのはの/おもてみせけり/けさのしも元禄4
318薬飲むさらでも霜の枕かなくすりのむ/さらでもしもの/まくらかな貞享4
319草臥れて宿かるころや頃や藤の花くたぶれて/やどかるころや/ふじのはな貞享5
320口切に堺の庭ぞなつかしきくちきりに/さかいのにわぞ/なつかしき元禄5
321国々の八景さらに気比の月くにぐにの/はっけいさらに/けひのつき元禄2
322愚に暗く茨を掴む蛍かなぐにくらく/いばらをつかむ/ほたるかな延宝9
323熊坂がゆかりやいつの玉祭くまさかが/ゆかりやいつの/たままつり元禄2
324雲をりをり人をやすめる月見かなくもおりおり/ひとをやすめる/つきみかな貞享2
325雲霧の暫時百景を尽しけりくもきりの/ざんじひゃっけいを/つくしけり貞享1
326雲とへだつ友かや雁の生き別れくもとへだつ/ともかやかりの/いきわかれ寛文12
327蜘何と音をなにと鳴く秋の風くもなんと/ねをなにとなく/あきのかぜ延宝8
328雲の峰いくつ崩れて月の山くものみね/いくつくずれて/つきのやま元禄2
329雲を根に富士は杉形の茂りかなくもをねに/ふじはすぎなりの/しげりかな延宝4
330鞍壷に小坊主乗るや大根引くらつぼに/こぼうずのるや/だいこひき元禄4
331暮れ暮れて餅を木魂の侘寝哉くれくれて/もちをこだまの/わびねかな天和1
332黒森をなにといふとも今朝の雪くろもりを/なにというとも/けさのゆき天和1
333椹や花なき蝶の世捨酒くわのみや/はななきちょうの/よすてざけ天和3
334鶏頭や雁の来る時なほ赤しけいとうや/かりのくるとき/なおあかし元禄7
335けごろもにつつみて温し鴨の足けごろもに/つつみてぬくし/かものあし元禄6
336今朝の雪根深を園の枝折哉けさのゆき/ねぶかをそのの/しおりかな延宝7
337消炭に薪割る音かをのの奥けしずみに/まきわるおとか/おののおく延宝8
338実にや月間口千金の通り町げにやつき/まぐちせんきんの/とおりちょう延宝6
339鸛の巣に嵐の外の桜哉こうのすに/あらしのほかの/さくらかな貞享4
340鸛の巣も見らるる花の葉越し哉こうのすも/みらるるはなの/はごしかな貞享4
341紅梅や見ぬ恋作る玉簾こうばいや/みぬこいつくる/たますだれ元禄2
342蝙蝠も出でよ浮世の華に鳥こうもりも/いでようきよの/はなにとり貞享~元禄
343声澄みて北斗にひびく砧哉こえすみて/ほくとにひびく/きぬたかな貞享1~4
344声よくば謡はうものを桜散るこえよくば/うたおうものを/さくらちる元禄1~7
345氷苦く偃鼠が喉をうるほせりこおりにがく/えんそがのどを/うるおせり延宝9
346木隠れて茶摘みも聞くやほととぎすこがくれて/ちゃつみもきくや/ほととぎす元禄7
347木枯に岩吹きとがる杉間かなこがらしに/いわふきとがる/すぎまかな元禄4
348凩に匂ひやつけし返り花こがらしに/においやつけし/かえりばな元禄4
349狂句木枯しの身は竹斎に似たるかなこがらしの/みはちくさいに/にたるかな貞享1
350木枯しや竹に隠れてしづまりぬこがらしや/たけにかくれて/しずまりぬ貞享~元禄
351こがらしや頬腫痛む人の顔こがらしや/ほおばれいたむ/ひとのかお元禄3
352苔埋む蔦のうつつの念仏哉こけうずむ/つたのうつつの/ねぶつかな貞享1
353九たび起きても月の七ツ哉ここのたび/おきてもつきの/ななつかな元禄4
354腰長や鶴脛ぬれて海涼しこしたけや/つるはぎぬれて/うみすずし元禄2
355梢よりあだに落ちけり蝉の殻こずえより/あだにおちけり/せみのから延宝5
356小鯛插す柳涼しや海士が家こだいさす/やなぎすずしや/あまがいえ元禄2
357胡蝶にもならで秋経る菜虫哉こちょうにも/ならであきふる/なむしかな元禄2
358こちら向け我もさびしき秋の暮こちらむけ/われもさびしき/あきのくれ元禄3
359琴箱や古物店の背戸の菊ことばこや/ふるものだなの/せどのきく元禄6
360子供等よ昼顔咲きぬ瓜剥かんこどもらよ/ひるがおさきぬ/うりむかん元禄6
361子に飽くと申す人には花もなしこにあくと/もうすひとには/はなもなし貞享~元禄
362この秋は何で年寄る雲に鳥このあきは/なんでとしよる/くもにとり元禄7
363このあたり目に見ゆるものは皆涼しこのあたり/めにみゆるものは/みなすずし貞享5
364この海に草鞋捨てん笠時雨このうみに/わらんじすてん/かさしぐれ貞享1
365この梅に牛も初音と鳴きつべしこのうめに/うしもはつねと/なきつべし延宝4
366この心推せよ花に五器一具このこころ/すいせよはなに/ごきいちぐ元禄5
367この種と思ひこなさじ唐辛子このたねと/おもいこなさじ/とうがらし元禄3
368この槌のむかし椿か梅の木かこのつちの/むかしつばきか/うめのきか貞享~元禄
369この寺は庭一盃のばせを哉このてらは/にわいっぱいの/ばしょうかな貞享~元禄
370木の葉散る桜は軽し檜木笠このはちる/さくらはかろし/ひのきがさ貞享1
371この蛍田毎の月にくらべみんこのほたる/たごとのつきに/くらべみん貞享5
372このほどを花に礼いふ別れ哉このほどを/はなにれいいう/わかれかな貞享5
373この松の実生えせし代や神の秋このまつの/みばえせしよや/かみのあき貞享4
374この道を行く人なしに秋の暮このみちを/いくひとなしに/あきのくれ元禄7
375木のもとに汁も膾も桜かなこのもとに/しるもなますも/さくらかな元禄3
376この宿は水鶏も知らぬ扉かなこのやどは/くいなもしらぬ/とぼそかな貞享~元禄
377この山のかなしさ告げよ野老掘このやまの/かなしさつげよ/ところほり貞享5
378小萩散れますほの小貝小盃こはぎちれ/ますほのこがい/こさかずき元禄2
379御廟年経て偲ぶは何をしのぶ草ごびょうとしへて/しのぶはなにを/しのぶぐさ貞享1
380古法眼出どころあはれ年の暮こほうげん/でどころあわれ/としのくれ貞享~元禄
381米買ひに雪の袋や投頭巾こめかいに/ゆきのふくろや/なげずきん元禄1
382米くるる友を今宵の月の客こめくるる/ともをこよいの/つきのきゃく元禄4
383籠り居て木の実草の実拾はばやこもりいて/きのみくさのみ/ひろわばや元禄2
384薦を着て誰人います花の春こもをきて/たれひといます/はなのはる元禄3
385今宵誰吉野の月も十六里こよいたれ/よしののつきも/じゅうろくり元禄7
386今宵の月磨ぎ出せ人見出雲守こよいのつき/とぎだせひとみ/いずもかみ延宝5
387これや世の煤に染まらぬ古合子これやよの/すすにそまらぬ/ふるごうし元禄2
388衣着て小貝拾はん種の月ころもきて/こがいひろわん/いろのつき元禄2
389ごを焚いて手拭あぶる寒さ哉ごをたいて/てぬぐいあぶる/さむさかな貞享4
390蒟蒻に今日は売り勝つ若菜哉こんにゃくに/きょうはうりかつ/わかなかな元禄6
391蒟蒻の刺身もすこし梅の花こんにゃくの/さしみもすこし/うめのはな元禄6

さ行

→索引へ
発句読み制作年
392西行の庵もあらん花の庭さいぎょうの/いおりもあらん/はなのにわ貞享~元禄
393西行の草鞋もかかれ松の露さいぎょうの/わらじもかかれ/まつのつゆ元禄2
394早乙女に仕形望まんしのぶ摺さおとめに/しかたのぞまん/しのぶずり元禄2
395盃に泥な落しそ群燕さかずきに/どろなおとしそ/むらつばめ貞享5
396盃にみつの名を飲む今宵かなさかずきに/みつのなをのむ/こよいかな貞享2
397盃の下ゆく菊や朽木盆さかずきの/したゆくきくや/くちきぼん延宝3
398盃や山路の菊と是を干すさかずきや/やまじのきくと/これをほす延宝7
399盛りぢや花に坐浮法師ぬめり妻さかりじや/はなにそぞろうきぼうし/ぬめりづま延宝9
400盛りなる梅にす手引く風もがなさかりなる/うめにすでひく/かぜもがな寛文7
401咲き乱す桃の中より初桜さきみだす/もものなかより/はつざくら貞享~元禄
402桜狩り奇特や日々に五里六里さくらがり/きどくやひびに/ごりろくり貞享5
403桜より松は二木を三月越しさくらより/まつはふたきを/みつきごし元禄2
404酒飲みに語らんかかる滝の花さけのみに/かたらんかかる/たきのはな貞享5
405酒のめばいとど寝られぬ夜の雪さけのめば/いとどねられぬ/よるのゆき貞享3
406さざ波や風の薫の相拍子さざなみや/かぜのかおりの/あいびょうし元禄7
407篠の露袴に掛けし茂り哉ささのつゆ/はかまにかけし/しげりかな元禄6
408さざれ蟹足這ひのぼる清水哉さざれがに/あしはいのぼる/しみずかな貞享4
409さし籠る葎の友か冬菜売りさしこもる/むぐらのともか/ふゆなうり元禄1
410さぞな星ひじき物には鹿の革さぞなほし/ひじきものには/しかのかわ延宝?
411五月の雨岩檜葉の緑いつまでぞさつきのあめ/いわひばのみどり/いつまでぞ延宝8
412座頭かと人に見られて月見哉ざとうかと/ひとにみられて/つきみかな貞享3
413里の子よ梅折り残せ牛の鞭さとのこよ/うめおりのこせ/うしのむち貞享4
414里人は稲に歌詠む都かなさとびとは/いねにうたよむ/みやこかな貞享5
415里古りて柿の木持たぬ家もなしさとふりて/かきのきもたぬ/いえもなし元禄7
416早苗とる手もとや昔しのぶ摺さなえとる/てもとやむかし/しのぶずり元禄2
417早苗にも我が色黒き日数哉さなえにも/わがいろくろき/ひかずかな元禄2
418さびしげに書付消さん笠の露さびしげに/かきつけけさん/かさのつゆ元禄2
419さびしさや岩にしみ込む蝉の聲さびしさや/いわにしみこむ/せみのこえ元禄2
420淋しさや釘に掛けたるきりぎりすさびしさや/くぎにかけたる/きりぎりす元禄4
421寂しさや須磨に勝ちたる浜の秋さびしさや/すまにかちたる/はまのあき元禄2
422さびしさや華のあたりのあすならふさびしさや/はなのあたりの/あすならふ貞享5
423さまざまのこと思ひ出す桜かなさまざまの/ことおもいだす/さくらかな貞享5
424五月雨に御物遠や月の顔さみだれに/おんものどおや/つきのかお寛文7
425五月雨に隠れぬものや瀬田の橋さみだれに/かくれぬものや/せたのはし貞享5
426五月雨に鶴の足短くなれりさみだれに/つるのあし/みじかくなれり延宝9
427五月雨に鳰の浮巣を見にゆかんさみだれに/におのうきすを/みにゆかん貞享4
428五月雨の空吹き落せ大井川さみだれの/そらふきおとせ/おおいがわ元禄7
429五月雨の降り残してや光堂さみだれの/ふりのこしてや/ひかりどう元禄2
430五月雨は滝降り埋むみかさ哉さみだれは/たきふりうずむ/みかさかな元禄2
431五月雨も瀬踏み尋ねぬ見馴河さみだれも/せぶみたずねぬ/みなれがわ寛文10
432五月雨や桶の輪切るる夜の声さみだれや/おけのわきるる/よるのこえ貞享4
433五月雨や蠶煩ふ桑の畑さみだれや/かいこわずろう/くわのはた元禄7
434五月雨や色紙へぎたる壁の跡さみだれや/しきしへぎたる/かべのあと元禄4
435五月雨や年々降るも五百たびさみだれや/ねんねんふるも/ごひゃくたび元禄2
436五月雨や龍頭あぐる番太郎さみだれや/りゅうとうあぐる/ばんたろう延宝5
437五月雨を集めて早し最上川さみだれを/あつめてはやし/もがみがわ元禄2
438寒からぬ露や牡丹の花の蜜さむからぬ/つゆやぼたんの/はなのつゆ元禄7
439さむき田や馬上にすくむ影法師さむきたや/ばじょうにすくむ/かげぼうし貞享4
440寒けれど二人寝る夜ぞ頼もしきさむけれど/ふたりねるよぞ/たのもしき貞享4
441皿鉢もほのかに闇の宵涼みさらはちも/ほのかにやみの/よいすずみ元禄7
442猿引は猿の小袖を砧哉さるひきは/さるのこそでを/きぬたかな貞享~元禄
443猿を聞く人捨子に秋の風いかにさるをきくひと/すてごにあきの/かぜいかに貞享1
444さればこそ荒れたきままの霜の宿さればこそ/あれたきままの/しものやど貞享4
445三尺の山も嵐の木の葉哉さんじゃくの/やまもあらしの/このはかな元禄3
446残暑しばし手毎に料れ瓜茄子ざんしょしばし/てごとにりょうれ/うりなすび元禄2
447椎の花の心にも似よ木曽の旅しいのはなの/こころにもによ/きそのたび元禄6
448汐越や鶴脛ぬれて海涼ししおこしや/つるはぎぬれて/うみすずし元禄2
449塩鯛の歯ぐきも寒し魚の店しおだいの/はぐきもさむし/うおのたな元禄5
450塩にしてもいざ言伝ん都鳥しおにしても/いざことづてん/みやこどり延宝6
451しをらしき名や小松吹く萩すすきしおらしき/なやこまつふく/はぎすすき元禄2
452萎れ伏すや世はさかさまの雪の竹しおれふすや/よはさかさまの/ゆきのたけ寛文7
453鹿の角まづ一節のわかれかなしかのつの/まずひとふしの/わかれかな貞享5
454しぐるるや田の新株の黒むほどしぐるるや/たのあらかぶの/くろむほど元禄3
455時雨をやもどかしがりて松の雪しぐれをや/もどかしがりて/まつのゆき寛文6
456閑さや岩にしみ入る蝉の声しずかさや/いわにしみいる/せみのこえ元禄2
457静かさや絵掛かる壁のきりぎりすしずかさや/えかかるかべの/きりぎりす元禄4
458賎の子や稲摺りかけて月を見るしずのこや/いねすりかけて/つきをみる貞享4
459死にもせぬ旅寝の果てよ秋の暮しにもせぬ/たびじのはてよ/あきのくれ貞享1
460しのぶさへ枯れて餅買ふやどりかなしのぶさえ/かれてもちかう/やどりかな貞享1
461しばし間も待つやほととぎす千年しばしまも/まつやほととぎす/せんねん寛文7
462柴付けし馬のもどりや田植樽しばつけし/うまのもどりや/たうえだる元禄7
463柴の戸に茶を木の葉掻く嵐かなしばのとに/ちゃをこのはかく/あらしかな延宝8
464柴の戸の月やそのまま阿弥陀坊しばのとの/つきやそのまま/あみだぼう貞享~元禄
465しばらくは瀧にこもるや夏の初めしばらくは/たきにこもるや/げのはじめ元禄2
466しばらくは花の上なる月夜かなしばらくは/はなのうえなる/つきよかな元禄4
467四方より花吹き入れて鳰の波しほうより/はなふきいれて/におのなみ元禄3
468島々や千々に砕きて夏の海しまじまや/ちぢにくだきて/なつのうみ元禄2
469霜枯に咲くは辛気の花野哉しもがれに/さくはしんきの/はなのかな寛文7
470霜の後撫子咲ける火桶哉しもののち/なでしこさける/ひおけかな元禄3
471霜を着て風を敷き寝の捨子哉しもをきて/かぜをしきねの/すてごかな延宝5
472霜を踏んでちんば引くまで送りけりしもをふんで/ちんばひくまで/おくりけり延宝7
473秋海棠西瓜の色に咲きにけりしゅうかいどう/すいかのいろに/さきにけり元禄4
474錠明けて月さし入れよ浮御堂じょうあけて/つきさしいれよ/うきみどう元禄4
475少将の尼の話や志賀の雪しょうしょうの/あまのはなしや/しがのゆき元禄2
476丈六に陽炎高し石の上じょうろくに/かげろうたかし/いしのうえ貞享5
477死よ死なぬ浮身の果ては秋の暮しよしなぬ/うきみのはては/あきのくれ貞享1
478初春まづ酒に梅売る匂ひかなしょしゅんまず/さけにうめうる/においかな貞享2
479草履の尻折りて帰らん山桜じょりのしり/おりてかえらん/やまざくら延宝7
480白魚や黒き目を明く法の網しらうおや/くろきめをあく/のりのあみ元禄6
481白髪抜く枕の下やきりぎりすしらがぬく/まくらのしたや/きりぎりす元禄3
482白菊の目に立てて見る塵もなししらぎくの/めにたててみる/ちりもなし元禄7
483白菊よ白菊よ恥長髪よ長髪よしらぎくよしらぎくよ/はじながかみよ/ながかみよ天和?
484白芥子に羽もぐ蝶の形見かなしらげしに/はねもぐちょうの/かたみかな貞享2
485白芥子や時雨の花の咲きつらんしらげしや/しぐれのはなの/さきつらん天和?
486白露もこぼさぬ萩のうねり哉しらつゆも/こぼさぬはぎの/うねりかな元禄6
487城跡や古井の清水まづ訪はんしろあとや/ふるいのしみず/まずとわん貞享5
488白炭やかの浦島が老の箱しろずみや/かのうらしまが/おいのはこ延宝5
489新藁の出初めて早き時雨哉しんわらの/でそめてはやき/しぐれかな元禄7
490水学も乗り物貸さん天の川すいがくも/のりものかさん/あまのがわ延宝6
491水仙や白き障子のとも移りすいせんや/しろきしょうじの/ともうつり元禄4
492すくみ行や馬上にこおる影法師すくみゆくや/ばじょうにこおる/かげぼうし貞享4
493涼風やほの三日月の羽黒山すずかぜや/ほのみかづきの/はぐろやま元禄2
494涼しさの指図に見ゆる住まゐかなすずしさの/さしずにみゆる/すまいかな元禄7
495涼しさや海に入れたる最上川すずしさや/うみにいれたる/もがみがわ元禄2
496涼しさや直に野松の枝の形すずしさや/すぐにのまつの/えだのなり元禄7
497涼しさやほの三日月の羽黒山すずしさや/ほのみかづきの/はぐろやま元禄2
498涼しさを絵にうつしけり嵯峨の竹すずしさを/えにうつしけり/さがのたけ元禄7
499涼しさを飛騨の工が指図かなすずしさを/ひだのたくみが/さしずかな元禄7
500涼しさをわが宿にしてねまるなりすずしさを/わがやどにして/ねまるなり元禄2
501煤掃は己が棚つる大工かなすすはきは/おのがたなつる/だいくかな元禄6
502煤掃は杉の木の間の嵐哉すすはきは/すぎのこのまの/あらしかな元禄3
503雀子と声鳴きかはす鼠の巣すずめごと/こえなきかわす/ねずみのす貞享~元禄
504硯かと拾ふやくぼき石の露すずりかと/ひろうやくぼき/いしのつゆ元禄2
505須磨寺や吹かぬ笛聞く木下闇すまでらや/ふかぬふえきく/こしたやみ貞享5
506須磨の海士の矢先に鳴くか郭公すまのあまの/やさきになくか/ほととぎす貞享5
507須磨の浦の年取り物や柴一把すまのうらの/としとりものや/しばいちわ貞享~元禄
508住みつかぬ旅の心や置炬燵すみつかぬ/たびのこころや/おきごたつ元禄3
509駿河路や花橘も茶の匂ひするがじや/はなたちばなも/ちゃのにおい元禄7
510節季候の来れば風雅も師走哉せきぞろの/くればふうがも/しわすかな元禄3
511節季候を雀の笑ふ出立かなせきぞろを/すずめのわろう/でだちかな元禄5
512関守の宿を水鶏に問はうものせきもりの/やどをくいなに/とおうもの元禄2
513せつかれて年忘れする機嫌かなせつかれて/としわすれする/きげんかな貞享~元禄
514芹焼や裾輪の田井の初氷せりやきや/すそわのたいの/はつごおり元禄6
515扇子にて酒くむ花の木陰かなせんすにて/さけくむはなの/こかげかな貞享5
516僧朝顔幾死に返る法の松そうあさがお/いくしにかえる/のりのまつ貞享1
517蒼海の浪酒臭し今日の月そうかいの/なみさけくさし/きょうのつき延宝7
518雑水に琵琶聴く軒の霰かなぞうすいに/びわきくのきの/あられかな貞享~元禄
519袖の色よごれて寒し濃鼠そでのいろ/よごれてさむし/こいねずみ貞享~元禄
520袖汚すらん田螺の海士の隙を無みそでよごすらん/たにしのあまの/ひまをなみ天和2
521その形見ばや枯れ木の杖の長そのかたち/みばやかれきの/つえのたけ元禄1
522その玉や羽黒にかへす法の月そのたまや/はぐろにかえす/のりのつき元禄2
523その匂ひ桃より白し水仙花そのにおい/ももよりしろし/すいせんか元禄4
524そのままよ月もたのまじ伊吹山そのままよ/つきもたのまじ/いぶきやま元禄2
525蕎麦はまだ花でもてなす山路かなそばはまだ/はなでもてなす/やまじかな元禄7
526蕎麦も見てけなりがらせよ野良の萩そばもみて/けなりがらせよ/のらのはぎ元禄4
527剃り捨てて黒髪山に衣更そりすてて/くろかみやまに/ころもがえ元禄2

た行

→索引へ
発句読み制作年
528田一枚植ゑて立ち去る柳かなたいちまい/うえてたちさる/やなぎかな元禄2
529内裏雛人形天皇の御宇とかやだいりびな/にんぎょうてんのうの/ぎょうとかや延宝6
530鷹の目も今や暮れぬと鳴く鶉たかのめも/いまやくれぬと/なくうずら元禄4
531鷹一つ見付けてうれし伊良湖崎たかひとつ/みつけてうれし/いらござき貞享4
532高水に星も旅寝や岩の上たかみずに/ほしもたびねや/いわのうえ元禄6
533誰が聟ぞ歯朶に餅負ふ丑の年たがむこぞ/しだにもちおう/うしのとし貞享2
534茸狩やあぶなきことに夕時雨たけがりや/あぶなきことに/ゆうしぐれ元禄2
535竹の子や稚き時の手のすさみたけのこや/おさなきときの/てのすさみ元禄4
536たかうなや雫もよよの篠の露たこうなや/しずくもよよの/ささのつゆ寛文?
537蛸壺やはかなき夢を夏の月たこつぼや/はかなきゆめを/なつのつき貞享5
538橘やいつの野中の郭公たちばなや/いつののなかの/ほととぎす元禄3
539七夕の逢はぬ心や雨中天たなばたの/あわぬこころや/うちゅうてん寛文7
540七夕や秋を定むる夜のはじめたなばたや/あきをさだむる/よのはじめ元禄7
541芋種や花の盛りに売り歩くたねいもや/はなのさかりに/うりあるく元禄3
542種芋や花の盛りに売り歩くたねいもや/はなのさかりに/うりあるく元禄3
543楽しさや青田に涼む水の音たのしさや/あおたにすずむ/みずのおと貞享5
544旅烏古巣は梅になりにけりたびがらす/ふるすはうめに/なりにけり貞享2
545旅に飽きてけふ幾日やら秋の風たびにあきて/きょういくかやら/あきのかぜ貞享5
546旅に病で夢は枯野をかけ廻るたびにやんで/ゆめはかれのを/かけめぐる元禄7
547旅寝して見しやうき世の煤はらいたびねして/みしやうきよの/すすはらい貞享4
548旅寝して我が句を知れや秋の風たびねして/わがくをしれや/あきのかぜ貞享1~4
549旅寝よし宿は師走の夕月夜たびねよし/やどはしわすの/ゆうづくよ貞享4
550旅人とわが名呼ばれん初しぐれたびびとと/わがなよばれん/はつしぐれ貞享4
551旅人の心にも似よ椎の花たびびとの/こころにもによ/しいのはな元禄6
552玉祭り今日も焼場の煙哉たままつり/きょうもやきばの/けむりかな元禄3
553手向けけり芋は蓮に似たるとてたむけけり/いもははちすに/にたるとて天和?
554ためつけて雪見にまかる紙子かなためつけて/ゆきみにまかる/かみこかな貞享4
555田や麦や中にも夏のほととぎすたやむぎや/なかにもなつの/ほととぎす元禄2
556誰やらがかたちに似たり今朝の春たれやらが/かたちににたり/けさのはる貞享4
557たわみては雪待つ竹の気色かなたわみては/ゆきまつたけの/けしきかな元禄7
558たんだすめ住めば都ぞ今日の月たんだすめ/すめばみやこぞ/きょうのつき寛文7
559苣はまだ青葉ながらに茄子汁ちしゃはまだ/あおばながらに/なすびじる元禄7
560父母のしきりに恋し雉の声ちちははの/しきりにこいし/きじのこえ貞享5
561千鳥立ち更け行く初夜の日枝颪ちどりたち/ふけゆくしょやの/ひえおろし元禄3
562地に倒れ根に寄り花の別れかなちにたおれ/ねによりはなの/わかれかな貞享3
563粽結ふ片手にはさむ額髪ちまきゆう/かたてにはさむ/ひたいがみ元禄4
564長嘯の墓もめぐるか鉢叩きちょうしょうの/はかもめぐるか/はちたたき元禄2
565蝶鳥の浮つき立つや花の雲ちょうとりの/うわつきたつや/はなのくも貞享~元禄
566蝶の飛ぶばかり野中の日影哉ちょうのとぶ/ばかりのなかの/ひかげかな貞享2
567蝶の羽のいくたび越ゆる塀の屋根ちょうのはの/いくたびこゆる/へいのやね元禄3
568蝶も来て酢を吸ふ菊の鱠哉ちょうもきて/すをすうきくの/なますかな元禄3
569蝶よ蝶よ唐土の俳諧問はんちょうよちょうよ/もろこしの/はいかいとわん天和?
570散り失せぬ松や二木を三月越しちりうせぬ/まつやふたきを/みつきごし元禄2
571散る花や鳥も驚く琴の塵ちるはなや/とりもおどろく/ことのちり貞享~元禄
572塚も動けわが泣く声は秋の風つかもうごけ/わがなくこえは/あきのかぜ元禄2
573月いづく鐘は沈める海の底つきいずく/かねはしずめる/うみのそこ元禄2
574月影や四門四宗もただ一つつきかげや/しもんししゅうも/ただひとつ貞享5
575撞鐘もひびくやうなり蝉の声つきがねも/ひびくようなり/せみのこえ貞享5
576月か花か問へど四睡が鼾哉つきかはなか/とえどしすいが/いびきかな元禄2
577月清し遊行の持てる砂の上つききよし/ゆぎょうのもてる/すなのうえ元禄2
578月さびよ明智が妻の話せむつきさびよ/あけちがつまの/はなしせん元禄2
579月十四日今宵三十九の童部つきじゅうよっか/こよいさんじゅうくの/わらべ天和2
580月白き師走は子路が寝覚め哉つきしろき/しはすはしろが/ねざめかな貞享3
581月代や膝に手を置く宵の宿つきしろや/ひざにてをおく/よいのやど元禄3
582月代や晦日に近き餅の音つきしろや/みそかにちかき/もちのおと元禄6
583月澄むや狐こはがる児の供つきすむや/きつねこわがる/ちごのとも元禄7
584月ぞしるべこなたへ入らせ旅の宿つきぞしるべ/こなたへいらせ/たびのやど寛文4
585月に名を包みかねてや痘瘡の神つきになを/つつみかねてや/いものかみ元禄2
586月の鏡小春に見るや目正月つきのかがみ/こはるにみるや/めしょうがつ寛文7
587月の中に蒔絵書きたし宿の月つきのなかに/まきえかきたし/やどのつき貞享5
588月のみか雨に相撲もなかりけりつきのみか/あめにすもうも/なかりけり元禄2
589月はあれど留守のやうなり須磨の夏つきはあれど/るすのようなり/すまのなつ貞享5
590月花の愚に針立てん寒の入りつきはなの/ぐにはりたてん/かんのいり元禄5
591月華の是やまことのあるじ達つきはなの/これやまことの/あるじたち貞享2
592月花もなくて酒のむ独り哉つきはなも/なくてさけのむ/ひとりかな元禄2
593月はやし梢は雨を持ちながらつきはやし/こずえはあめを/もちながら貞享4
594月待や梅かたげ行く小山伏つきまちや/うめかたげゆく/こやまぶし元禄4
595月見する座に美しき顔もなしつきみする/ざにうつくしき/かおもなし元禄3
596月見せよ玉江の芦を刈らぬ先つきみせよ/たまえのあしを/からぬさき元禄2
597月見ても物たらはずや須磨の夏つきみても/ものたらわずや/すまのなつ貞享5
598月やその鉢木の日のした面つきやその/はちのきのひの/したおもて元禄6
599月雪とのさばりけらし年の暮つきゆきと/のさばりけらし/としのくれ貞享3
600作りなす庭をいさむる時雨かなつくりなす/にわをいさむる/しぐれかな元禄4
601蔦植ゑて竹四五本の嵐かなつたうえて/たけしごほんの/あらしかな貞享1
602蔦の葉は昔めきたる紅葉哉つたのはは/むかしめきたる/もみじかな貞享5
603躑躅生けてその陰に干鱈割く女つつじいけて/そのかげにひだら/さくおんな貞享2
604つね憎き烏も雪の朝哉つねにくき/からすもゆきの/あしたかな元禄4
605摘みけんや茶を凩の秋とも知でつみけんや/ちゃをこがらしの/あきともしらで延宝9
606露凍てて筆に汲み干す清水哉つゆいてて/ふでにくみほす/しみずかな貞享4
607露とくとく試みに浮世すすがばやつゆとくとく/こころみにうきよ/すすがばや貞享1
608鶴鳴くやその声に芭蕉破れぬべしつるなくや/そのこえにばしょう/やれぬべし元禄2
609鶴の毛の黒き衣や花の雲つるのけの/くろきころもや/はなのくも元禄6
610庭訓の往来誰が文庫より今朝の春ていきんのおうらい/たがぶんこより/けさのはる延宝6
611手にとらば消えん涙ぞ熱き秋の霜てにとらば/きえんなみだぞ/あつきあきのしも貞享1
612手鼻かむ音さへ梅の盛り哉てばなかむ/おとさえうめの/さかりかな貞享5
613寺に寝てまこと顔なる月見かなてらにねて/まことがおなる/つきみかな貞享4
614手を打てば木魂に明くる夏の月てをうてば/こだまにあくる/なつのつき元禄4
615天秤や京江戸かけて千代の春てんびんや/きょうえどかけて/ちよのはる延宝4
616唐辛子思ひこなさじ物の種とうがらし/おもいこなさじ/もののたね元禄3
617冬瓜やたがひに変る顔の形とうがんや/たがいにかわる/かおのなり元禄7
618唐黍や軒端の萩の取りちがえとうきびや/のきばのはぎの/とりちがえ延宝5
619当帰よりあはれは塚の菫草とうきより/あわれはつかの/すみれぐさ元禄6
620尊がる涙や染めて散る紅葉とうとがる/なみだやそめて/ちるもみじ元禄4
621尊さに皆おしあひぬ御遷宮とうとさに/みなおしあいぬ/ごせんぐう元禄2
622たふとさや雪降らぬ日も蓑と笠とうとさや/ゆきふらぬひも/みのとかさ元禄3
623磨ぎなほす鏡も清し雪の花とぎなおす/かがみもすがし/ゆきのはな貞享4
624床に来て鼾に入るやきりぎりすとこにきて/いびきにいるや/きりぎりす元禄7
625年暮れぬ笠きて草鞋はきながらとしくれぬ/かさきてわらじ/はきながら貞享1
626年々や桜を肥やす花の塵としどしや/さくらをこやす/はなのちり元禄4
627年々や猿に着せたる猿の面としどしや/さるにきせたる/さるのめん元禄6
628年の市線香買ひに出でばやなとしのいち/せんこうかいに/いでばやな貞享3
629年は人にとらせていつも若夷としはひとに/とらせていつも/わかえびす寛文6
630土手の松花や木深き殿造りどてのまつ/はなやこぶかき/とのづくり元禄3
631戸の口に宿札名乗れほととぎすとのくちに/やどふだなのれ/ほととぎす天和1
632ともかくもならでや雪の枯尾花ともかくも/ならでやゆきの/かれおばな元禄4
633鳥刺も棹や捨てけんほととぎすとりさしも/さおやすてけん/ほととぎす貞享2
634蜻蜒や取りつきかねし草の上とんぼうや/とりつきかねし/くさのうえ元禄3
635どんみりと樗や雨の花曇りどんみりと/おうちやあめの/はなぐもり元禄7

な行

→索引へ
発句読み制作年
636なほ見たし花に明けゆく神の顔なおみたし/はなにあけゆく/かみのかお貞享5
637永き日も囀り足らぬひばり哉ながきひも/さえずりたらぬ/ひばりかな貞享4
638なかなかに心をかしき臘月哉なかなかに/こころおかしき/しわすかな元禄5
639詠むるや江戸には稀な山の月ながむるや/えどにはまれな/やまのつき延宝4
640中山や越路も月はまた命なかやまや/こしじもつきは/またいのち元禄2
641無き人の小袖も今や土用干なきひとの/こそでもいまや/どようぼし貞享5
642夏馬の遅行我を絵に見る心かななつうまのちこう/われをえにみる/こころかな天和3
643夏馬ぼくぼく我を絵に見る茂り哉なつうまぼくぼく/われをえにみる/しげりかな天和3
644夏かけて名月暑き涼み哉なつかけて/めいげつあつき/すずみかな元禄6
645夏来てもただひとつ葉の一葉かななつきても/ただひとつばの/ひとはかな貞享5
646夏草に富貴を飾れ蛇の衣なつくさに/ふうきをかざれ/へびのきぬ元禄3
647夏草や兵どもが夢の跡なつくさや/つわものどもが/ゆめのあと元禄2
648夏草や我先達ちて蛇狩らんなつくさや/われさきだちて/へびからん元禄3
649夏木立佩くや深山の腰ふさげなつこだち/はくやみやまの/こしふさげ寛文12
650夏衣いまだ虱を取り尽さずなつごろも/いまだしらみを/とりつくさず貞享2
651夏近しその口たばへ花の風なつちかし/そのくちたばへ/はなのかぜ寛文7
652納豆切る音しばし待て鉢叩きなっときる/おとしばしまて/はちたたき元禄3
653夏の月御油より出でて赤坂やなつのつき/ごゆよりいでて/あかさかや延宝4
654夏の夜や崩れて明けし冷し物なつのよや/くずれてあけし/ひやしもの元禄7
655夏の夜や木魂に明くる下駄の音なつのよや/こだまにあくる/げたのおと元禄4
656夏はあれど留守のやうなり須磨の月なつはあれど/るすのようなり/すまのつき貞享5
657夏山に足駄を拝む首途かななつやまに/あしだをおがむ/かどでかな元禄2
658撫子にかかる涙や楠の露なでしこに/かかるなみだや/くすのつゆ貞享~元禄
659撫子の暑さ忘るる野菊かななでしこの/あつさわするる/のぎくかな元禄5
660七株の萩の千本や星の秋ななかぶの/はぎのちもとや/ほしのあき元禄5
661なに喰うて小家は秋の柳陰なにくうて/こいえはあきの/やなぎかげ貞享~元禄
662何事の見立てにも似ず三日の月なにごとの/みたてにもにず/みかのつき貞享5
663何ごとも招き果てたる薄哉なにごとも/まねきはてたる/すすきかな貞享1~4
664何にこの師走の市にゆく烏なににこの/しわすのいちに/ゆくからす元禄2
665何の木の花とはしらず匂かななにのきの/はなとはしらず/においかな貞享5
666難波津や田螺の蓋も冬ごもりなにわづや/たにしのふたも/ふゆごもり元禄6
667菜畠に花見顔なる雀哉なばたけに/はなみがおなる/すずめかな貞享2
668なまぐさし小菜葱が上の鮠の腸なまぐさし/こなぎがうえの/はやのわた元禄6
669涙しくや遊行の持てる砂の露なみだしくや/ゆぎょうのもてる/すなのつゆ元禄2
670波の花と雪もや水の返り花なみのはなと/ゆきもやみずの/かえりばな寛文9
671波の間や小貝にまじる萩の塵なみのまや/こがいにまじる/はぎのちり元禄2
672南無ほとけ草の台も涼しかれなむほとけ/くさのうてなも/すずしかれ貞享1
673奈良七重七堂伽藍八重ざくらならななえ/しちどうがらん/やえざくら貞享~元禄
674なりにけりなりにけりまで年の暮なりにけり/なりにけりまで/としのくれ延宝4
675鳴海潟や青田に変る一みどりなるみがたや/あおたにかわる/ひとみどり貞享5
676何とはなしに何やらゆかし菫草なんとはなしに/なにやらゆかし/すみれぐさ貞享2
677似合はしや新年古き米五升にあわしや/しんねんふるき/こめごしょう天和2
678似合はしや豆の粉飯に桜狩りにあわしや/まめのこめしに/さくらがり元禄3
679西か東かまづ早苗にも風の音にしかひがしか/まずさなえにも/かぜのおと元禄2
680煮麺の下焚きたつる夜寒哉にゅうめんの/したたきたつる/よさむかな元禄4
681庭掃きて出でばや寺に散る柳にわはきて/いでばやてらに/ちるやなぎ元禄2
682庭掃きて雪を忘るる帚かなにわはきて/ゆきをわするる/ほうきかな元禄5
683盗人に逢うた夜もあり年の暮れぬすびとに/おうたよもあり/としのくれ元禄6
684濡れて行くや人もをかしき萩薄ぬれていくや/ひともおかしき/あめのはぎ元禄2
685葱白く洗ひたてたる寒さかなねぎしろく/あらいたてたる/さむさかな元禄4
686猫の恋やむとき閨の朧月ねこのこい/やむときねやの/おぼろづき元禄5
687猫の妻竃の崩れより通ひけりねこのつま/へついのくずれより/かよいけり延宝5
688寝たる萩や容顔無礼花の顔ねたるはぎや/ようがんぶれい/はなのかお寛文7
689子の日しに都へ行かん友もがなねのひしに/みやこへいかん/とももがな貞享2
690涅槃会や皺手合する数珠の音ねはんえや/しわであわする/じゅずのおと元禄7
691合歓の木の葉越しも厭へ星の影ねむのきの/はごしもいとえ/ほしのかげ元禄3
692能なしの眠たし我を行行子のうなしの/ねむたしわれを/ぎょうぎょうし元禄4
693暖簾の奥ものふかし北の梅のうれんの/おくものふかし/きたのうめ貞享5
694野ざらしを心に風のしむ身かなのざらしを/こころにかぜの/しむみかな貞享1
695呑み明けて花生にせん二升樽のみあけて/はないけにせん/にしょうだる元禄4
696蚤虱馬の尿する枕もとのみしらみ/うまのしとする/まくらもと元禄2
697海苔汁の手際見せけり浅黄椀のりじるの/てぎわみせけり/あさぎわん貞享1
698野を横に馬引き向けよほととぎすのをよこに/うまひきむけよ/ほととぎす元禄2

は行

→索引へ
発句読み制作年
699這ひ出よ飼屋が下の蟾の声はいいでよ/かいやがしたの/ひきのこえ元禄2
700萩原や一夜はやどせ山の犬はぎはらや/ひとよはやどせ/やまのいぬ貞享4
701箱根こす人も有るらし今朝の雪はこねこす/ひともあるらし/けさのゆき貞享4
702橋桁の忍は月の名残り哉はしげたの/しのぶはつきの/なごりかな元禄4
703ばせを植ゑてまづ憎む荻の二葉哉ばしょううえて/まずにくむおぎの/ふたばかな延宝9
704馬上落ちんとして残夢残月茶の煙ばじょうおちんとして/ざんむざんげつ/ちゃのけむり貞享1
705馬上眠からんとして残夢残月茶の煙ばじょうねむからんとして/ざんむざんげつ/ちゃのけむり貞享1
706芭蕉野分して盥に雨を聞く夜かなばしょうのわきして/たらいにあめを/きくよかな延宝9
707芭蕉葉を柱に懸けん庵の月ばしょうはを/はしらにかけん/いおのつき元禄5
708蓮池や折らでそのまま玉祭はすいけや/おらでそのまま/たままつり貞享5
709蓮の香を目にかよはすや面の鼻はすのかを/めにかよわすや/めんのはな元禄7
710裸にはまだ衣更着の嵐かなはだかには/まだきさらぎの/あらしかな貞享5
711畑打つ音や嵐の桜麻はたけうつ/おとやあらしの/さくらあさ元禄3
712八九間空で雨降る柳かなはちくけん/そらであめふる/やなぎかな元禄6
713初秋や海も青田も一みどりはつあきや/うみもあおたも/ひとみどり貞享5
714初秋や畳みながらの蚊屋の夜着はつあきや/たたみながらの/かやのよぎ元禄4
715初午に狐の剃りし頭哉はつうまに/きつねのそりし/あたまかな元禄6
716初桜折りしも今日はよき日なりはつざくら/おりしもきょうは/よきひなり貞享5
717初時雨猿も小蓑を欲しげなりはつしぐれ/さるもこみのを/ほしげなり元禄2
718初時雨初の字を我が時雨哉はつしぐれ/はつのじをわが/しぐれかな貞享~元禄
719初霜や菊冷え初むる腰の綿はつしもや/きくひえそむる/こしのわた元禄5
720初茸やまだ日数経ぬ秋の露はつたけや/まだひかずへぬ/あきのつゆ元禄6
721初花に命七十五年ほどはつはなに/いのちしちじゅう/ごねんほど延宝6
722初真桑四つにや断たん輪に切らんはつまくわ/よつにやたたん/わにきらん元禄2
723初雪に兎の皮の髭作れはつゆきに/うさぎのかわの/ひげつくれ元禄2
724初雪やいつ大仏の柱立はつゆきや/いつだいぶつの/はしらだて元禄2
725初雪や懸けかかりたる橋の上はつゆきや/かけかかりたる/はしのうえ元禄6
726初雪や幸ひ庵にまかりあるはつゆきや/さいわいあんに/まかりある貞享3
727初雪や水仙の葉のたわむまではつゆきや/すいせんのはの/たわむまで貞享3
728初雪や聖小僧が笈の色はつゆきや/ひじりこぞうが/おいのいろ元禄4
729鳩の声身に入みわたる岩戸哉はとのこえ/みにしみわたる/いわとかな元禄2
730花あやめ一夜に枯れし求馬哉はなあやめ/ひとよにかれし/もとめかな貞享5
731花盛り山は日ごろの朝ぼらけはなざかり/やまはひごろの/あさぼらけ貞享5
732花咲きて七日鶴見る麓哉はなさきて/なのかつるみる/ふもとかな貞享3
733花と実と一度に瓜の盛りかなはなとみと/いちどにうりの/さかりかな貞享~元禄
734花に明かぬ嘆きや我が歌袋はなにあかぬ/なげきやわれが/うたぶくろ寛文7
735花に遊ぶ虻な喰ひそ友雀はなにあそぶ/あぶなくらいそ/ともすずめ貞享4
736花にいやよ世間口より風の口はなにいやよ/せけんぐちより/かぜのくち寛文?
737花にうき世我が酒白く飯黒しはなにうきよ/わがさけしろく/めしくろし天和3
738花に寝ぬこれも類か鼠の巣はなにねぬ/これもたぐいか/ねずみのす元禄5
739花にやどり瓢箪斎と自らいへりはなにやどり/ひょうたんさいと/みずからいえり延宝8
740花に酔へり羽織着て刀さす女はなによえり/はおりきてかたな/さすおんな天和?
741花の顔に晴れうてしてや朧月はなのかおに/はれうてしてや/おぼろづき寛文7
742花の陰謡に似たる旅寝哉はなのかげ/うたいににたる/たびねかな貞享5
743花の雲鐘は上野か浅草かはなのくも/かねはうえのか/あさくさか貞享4
744花は賎の目にも見えけり鬼薊はなはしずの/めにもみえけり/おにあざみ寛文6
745花みな枯れてあはれをこぼす草の種はなみなかれて/あわれをこぼす/くさのたね貞享3
746花見にと指す船遅し柳原はなみにと/さすふねおそし/やなぎはら元禄7
747花木槿裸童のかざし哉はなむくげ/はだかわらべの/かざしかな延宝8
748花を宿に始め終りや二十日ほどはなをやどに/はじめおわりや/はつかほど貞享5
749葉にそむく椿の花やよそ心はにそむく/つばきのはなや/よそごころ貞享~元禄
750破風口の日影や弱る夕涼みはふぐちの/ひかげやよわる/ゆうすずみ元禄5
751蛤に今日は売り勝つ若菜かなはまぐりに/きょうはうりかつ/わかなかな元禄6
752蛤の生けるかひあれ年の暮はまぐりの/いけるかいあれ/としのくれ元禄5
753蛤のふたみに別れ行く秋ぞはまぐりの/ふたみにわかれ/ゆくあきぞ元禄2
754早く咲け九日も近し菊の花はやくさけ/くんちもちかし/きくのはな元禄2
755原中やものにもつかず啼く雲雀はらなかや/ものにもつかず/なくひばり貞享4
756針立や肩に槌打つから衣はりたてや/かたにつちうつ/からころも延宝3
757張抜きの猫も知るなり今朝の秋はりぬきの/ねこもしるなり/けさのあき延宝?
758春風に吹き出し笑う花もがなはるかぜに/ふきだしわろう/はなもがな寛文7
759春雨の木下につたふ清水かなはるさめの/こしたにつとう/しみずかな貞享5
760春雨や蜂の巣つたふ屋根の漏りはるさめや/はちのすつとう/やねのもり元禄7
761細かなる雨や二葉のなすび種はるさめや/ふたばにもゆる/なすびだね元禄3
762春雨や二葉に萌ゆる茄子種はるさめや/ふたばにもゆる/なすびだね元禄3
763春雨や蓑吹きかへす川柳はるさめや/みのふきかえす/かわやなぎ貞享~元禄
764春雨や蓬をのばす艸の道はるさめや/よもぎをのばす/くさのみち元禄7
765春たちてまだ九日の野山かなはるたちて/まだここのかの/のやまかな貞享5
766春立つとわらはも知るや飾り縄はるたつと/わらわもしるや/かざりなわ寛文11
767春立つや新年ふるき米五升はるたつや/しんねんふるき/こめごしょう天和2
768春なれや名もなき山の薄霞はるなれや/なもなきやまの/うすがすみ貞享2
769春の夜は桜に明けてしまひけりはるのよは/さくらにあけて/しまいけり貞享~元禄
770春の夜や篭り人ゆかし堂の隅はるのよや/こもりどゆかし/どうのすみ貞享5
771春もやや気色ととのふ月と梅はるもやや/けしきととのう/つきとうめ元禄6
772春や来し年や行きけん小晦日はるやこし/としやいきけん/こつごもり寛文2
773腫物に触る柳の撓哉はれものに/さわるやなぎの/しなえかな元禄7
774半日は神を友にや年忘れはんにちは/かみをともにや/としわすれ元禄3
775ぴいと啼く尻声悲し夜の鹿ぴいとなく/しりごえかなし/よるのしか元禄7
776東西あはれさひとつ秋の風ひがしにし/あわれさひとつ/あきのかぜ貞享3
777髭風ヲ吹いて暮秋嘆ズルハ誰ガ子ゾひげかぜを/ふいてぼしゅうたんずるは/たれがこぞ天和2
778ひごろ憎き烏も雪の朝哉ひごろにくき/からすもゆきの/あしたかな元禄4
779一尾根はしぐるる雲か富士の雪ひとおねは/しぐるるくもか/ふじのゆき貞享4
780一声の江に横たふやほととぎすひとこえの/えによことうや/ほととぎす元禄6
781人声やこの道帰る秋の暮ひとごえや/このみちかえる/あきのかぜ元禄7
782人ごとの口にあるなりした椛ひとごとの/くちにあるなり/したもみじ寛文?
783一里はみな花守の子孫かやひとさとは/みなはなもりの/しそんかや元禄3
784一時雨礫や降って小石川ひとしぐれ/つぶてやふって/こいしかわ延宝5
785一つ脱いで後に負ひぬ衣がへひとつぬいで/うしろにおいぬ/ころもがえ貞享5
786一家に遊女も寝たり萩と月ひとつやに/ゆうじょもねたり/はぎとつき元禄2
787一露もこぼさぬ菊の氷かなひとつゆも/こぼさぬきくの/こおりかな元禄6
788一とせに一度摘まるる薺かなひととせに/いちどつまるる/なずなかな元禄7
789人に家を買はせて我は年忘れひとにいえを/かわせてわれは/としわすれ元禄3
790人々をしぐれよ宿は寒くともひとびとを/しぐれよやどは/さむくとも元禄2
791一日一日麦あからみて啼く雲雀ひとひひとひ/むぎあからみて/なくひばり元禄4
792人も見ぬ春や鏡の裏の梅ひともみぬ/はるやかがみの/うらのうめ元禄5
793独り尼藁屋すげなし白躑躅ひとりあま/わらやすげなし/しろつつじ元禄3
794日にかかる雲やしばしの渡り鳥ひにかかる/くもやしばしの/わたりどり元禄7
795日の道や葵傾く五月雨ひのみちや/あおいかたむく/さつきあめ元禄3
796日は花に暮れてさびしやあすならうひははなに/くれてさびしや/あすなろう貞享5
797雲雀鳴く中の拍子や雉子の声ひばりなく/なかのひょうしや/きじのこえ元禄2
798雲雀より空にやすらふ峠かなひばりより/そらにやすろう/とうげかな貞享5
799百里来たりほどは雲井の下涼みひゃくりきたり/ほどはくもいの/したすずみ延宝4
800ひやひやと壁をふまえて昼寝哉ひやひやと/かべをふまえて/ひるねかな元禄7
801屏風には山を画書いて冬籠りびょうぶには/やまをえがいて/ふゆごもり元禄2
802ひよろひよろと尚露けしや女郎花ひょろひょろと/なおつゆけしや/おみなえし貞享5
803ひらひらと挙ぐる扇や雲の峰ひらひらと/あぐるおおぎや/くものみね元禄7
804比良三上雪さしわたせ鷺の橋ひらみかみ/ゆきさしわたせ/さぎのはし元禄3
805昼顔に米搗き休むあはれなりひるがおに/こめつきすずむ/あわれなり貞享4
806夕顔に米搗き休むあはれなりひるがおに/こめつきやすむ/あわれなり天和?
807昼顔に昼寝せうもの床の山ひるがおに/ひるねしょうもの/とこのやま貞享5
808鼓子花の短夜眠る昼間哉ひるがおの/みじかよねぶる/ひるまかな貞享5
809昼はなほ腹病煩の暑さかなひるはなお/はらわずらいの/あつさかな元禄4
810ひれ振りてめじかも寄るや男鹿島ひれふりて/めじかもよるや/おがのしま天和1
811琵琶行の夜や三味線の音霰びわこうの/よやしゃみせんの/おとあられ貞享1
812貧山の釜霜に鳴く声寒しひんざんの/かましもになく/こえさむし延宝9
813風月の財も離れよ深見艸ふうげつの/さいもはなれよ/ふかみぐさ元禄6
814風流の初めや奥の田植歌ふうりゅうの/はじめやおくの/たうえうた元禄2
815吹き落す石は浅間の野分哉ふきおとす/いしはあさまの/のわきかな貞享5
816吹きおろす浅間は石の野分哉ふきおろす/いしはあさまの/のわきかな貞享5
817吹き飛ばす石は浅間の野分かなふきとばす/いしはあさまの/のわきかな貞享5
818吹く風の中を魚飛ぶ御祓かなふくかぜの/なかをうおとぶ/みそぎかな貞享1~4
819鰒釣らん李陵七里の浪の雪ふぐつらん/りりょうしちりの/なみのゆき貞享1
820富士の風や扇にのせて江戸土産ふじのかぜや/おうぎにのせて/えどみやげ延宝4
821藤の実は俳諧にせん花の跡ふじのみは/はいかいにせん/はなのあと元禄2
822富士の山蚤が茶臼の覆かなふじのやま/のみがちゃうすの/おおいかな延宝4
823富士の雪慮生が夢を築かせたりふじのゆき/ろせいがゆめを/つかせたり延宝5
824不精さや掻き起されし春の雨ぶしょうさや/かきおこされし/はるのあめ元禄4
825二俣に別れ初めけり鹿の角ふたまたに/わかれそめけり/しかのつの貞享5
826二人見し雪は今年も降りけるかふたりみし/ゆきはことしも/ふりけるか元禄1
827二日にもぬかりはせじな花の春ふつかにも/ぬかりはせじな/はなのはる貞享5
828二日酔ひものかは花のあるあひだふつかよい/ものかははなの/あるあいだ延宝?
829船足も休む時あり浜の桃ふなあしも/やすむときあり/はまのもも貞享2
830文月や六日も常の夜には似ずふみづきや/むいかもつねの/よにはにず元禄2
831文ならぬいろはもかきて火中哉ふみならぬ/いろはもかきて/かちゅうかな寛文?
832冬籠りまた寄りそはんこの柱ふゆごもり/またよりそわん/このはしら元禄1
833冬知らぬ宿や籾摺る音霰ふゆしらぬ/やどやもみする/おとあられ貞享1
834冬庭や月もいとなる虫の吟ふゆにわや/つきもいとなる/むしのぎん元禄2
835冬の田の馬上にすくむ影法師ふゆのたの/ばじょうにすくむ/かげぼうし貞享4
836冬の日や馬上に凍る影法師ふゆのひや/ばじょうにこおる/かげぼうし貞享4
837冬牡丹千鳥よ雪のほととぎすふゆぼたん/ちどりよゆきの/ほととぎす貞享1
838降らずとも竹植うる日は蓑と笠ふらずとも/たけううるひは/みのとかさ貞享~元禄
839振売の雁あはれなり恵美須講ふりうりの/がんあわれなり/えびすこう元禄6
840古池や蛙飛びこむ水の音ふるいけや/かわずとびこむ/みずのおと貞享3
841降る音や耳も酸うなる梅の雨ふるおとや/みみもすうなる/うめのあめ寛文7
842古川にこびて目を張る柳かなふるかわに/こびてめをはる/やなぎかな貞享~元禄
843古き名の角鹿や恋し秋の月ふるきなの/つぬがやこいし/あきのつき元禄2
844旧里や臍の緒に泣く年の暮ふるさとや/ほぞのおになく/としのくれ貞享4
845古巣ただあはれなるべき隣かなふるすただ/あはれなるべき/となりかな貞享3
846古畑やなづな摘みゆく男どもふるはたや/なずなつみゆく/おとこども貞享3
847分別の底たたきけり年の昏ふんべつの/そこたたきけり/としのくれ貞享~元禄
848蛇食ふと聞けばおそろし雉子の声へびくうと/きけばおそろし/きじのこえ元禄3
849弁慶が笈をも飾れ紙幟べんけいが/おいをもかざれ/かみのぼり元禄2
850鬼灯は実も葉も殻も紅葉哉ほうずきは/みもはもからも/もみじかな元禄4?
851蓬莱に聞かばや伊勢の初便ほうらいに/きかばやいせの/はつだより元禄7
852星崎の闇を見よとや啼く千鳥ほしざきの/やみをみよとや/なくちどり貞享4
853蛍火の昼は消えつつ柱かなほたるびの/ひるはきえつつ/はしらかな元禄2
854蛍見や船頭酔うておぼつかなほたるみや/せんどうようて/おぼつかな元禄3
855牡丹蘂深く分け出づる蜂の名残かなぼたんしべ/ふかくわけいずる/はちのなごりかな貞享2
856発句なり松尾桃青宿の春ほっくなり/まつおとうせい/やどのはる延宝7
857ほととぎす今は俳諧師なき世哉ほととぎす/いまははいかいし/なきよかな天和1
858ほととぎす裏見の滝の裏表ほととぎす/うらみのたきの/うらおもて元禄2
859ほととぎす大竹藪を漏る月夜ほととぎす/おおたけやぶを/もるつきよ元禄4
860時鳥鰹を染めにけりけらしほととぎす/かつおをそめに/けりけらし天和1
861ほととぎす消え行く方や島一つほととぎす/きえゆくかたや/しまひとつ貞享5
862ほととぎす声や横たふ水の上ほととぎす/こえやよことう/みずのうえ元禄6
863ほととぎす鳴く鳴く飛ぶぞ忙はしほととぎす/なくなくとぶぞ/いそがわし貞享4
864ほととぎす鳴く音や古き硯箱ほととぎす/なくねやふるき/すずりばこ元禄5
865ほととぎす鳴くや五尺の菖草ほととぎす/なくやごしゃくの/あやめぐさ元禄5
866郭公招くか麦のむら尾花ほととぎす/まねくかむぎの/むらおばな延宝9
867時鳥正月は梅の花咲けりほととぎす/むつきはうめの/はなさけり天和3
868ほととぎす宿借るころの藤の花ほととぎす/やどかるころの/ふじのはな貞享5
869ほろほろと山吹散るか滝の音ほろほろと/やまぶきちるか/たきのおと貞享5

ま行

→索引へ
発句読み制作年
870前髪もまだ若艸の匂ひかなまえがみも/まだわかくさの/においかな貞享~元禄
871秣負う人を枝折の夏野哉まぐさおう/ひとをしおりの/なつのかな元禄2
872まづ祝へ梅を心の冬籠りまずいわえ/うめをこころの/ふゆごもり貞享4
873枡買うて分別かほなる月見かなますこうて/ふんべつかおなる/つきみかな元禄7
874まづ知るや宜竹が竹に花の雪まずしるや/ぎちくがたけに/はなのゆき延宝5
875先づ頼む椎の木も有り夏木立まずたのむ/しいのきもあり/なつこだち元禄3
876待たぬのに菜売りに来たか時鳥またぬのに/なうりにきたか/ほととぎす延宝5
877またも訪へ薮の中なる梅の花またもとえ/やぶのなかなる/うめのはな貞享4
878又やたぐひ長良の川の鮎鱠またやたぐい/ながらのかわの/あゆなます貞享5
879町医師や屋敷方より駒迎へまちいしや/やしきがたより/こまむかえ延宝3
880松風の落葉か水の音涼しまつかぜの/おちばかみずの/おとすずし貞享~元禄
881松風や軒をめぐって秋暮れぬまつかぜや/のきをめぐって/あきくれぬ元禄7
882松杉をほめてや風のかをる音まつすぎを/ほめてやかぜの/かおるおと元禄7
883松茸やかぶれたほどは松の形まつたけや/かぶれたほどは/まつのなり貞享~元禄
884松茸や知らぬ木の葉のへばり付くまつたけや/しらぬこのはの/へばりつく元禄4
885松なれや霧えいさらえいと引くほどにまつなれや/きりえいさらえいと/ひくほどに延宝?
886待つ花や藤三郎が吉野山まつはなや/とうざぶろうが/よしのやま延宝7
887またうどな犬ふみつけて猫の恋まとうどな/いぬふみつけて/ねこのこい貞享~元禄
888窓形に昼寝の台や簟まどなりに/ひるねのだいや/たかむしろ元禄6
889真福田が袴よそふかつくづくしまふくだが/はかまよそうか/つくづくし貞享3
890眉掃を俤にして紅粉の花まゆはきを/おもかげにして/べにのはな元禄2
891三井寺の門敲かばや今日の月みいでらの/もんたたかばや/きょうのつき元禄4
892見送りのうしろや寂し秋の風みおくりの/うしろやさみし/あきのかぜ貞享5
893三日月に地は朧なり蕎麦の花みかづきに/ちはおぼろなり/そばのはな元禄5
894三ケ月や朝顔の夕べ蕾むらんみかづきや/あさがおのゆうべ/つぼむらん天和2
895三日月や地はおぼろなる蕎麦畠みかづきや/ちはおぼろなる/そばのはな元禄5
896御子良子の一本ゆかし梅の花みこらこの/ひともとゆかし/うめのはな貞享5
897見しやその七日は墓の三日の月みしやその/なのかははかの/みかのつき元禄6
898湖や暑さを惜しむ雲の峰みずうみや/あつさをおしむ/くものみね元禄7
899水寒く寝入りかねたる鴎かなみずさむく/ねいりかねたる/かもめかな貞享3
900水取りや氷の僧の沓の音みずとりや/こおりのそうの/くつのおと貞享2
901水の奥氷室尋ぬる柳哉みずのおく/ひむろたずぬる/やなぎかな元禄2
902水向けて跡訪ひたまへ道明寺みずむけて/あとといたまえ/どうみょうじ延宝6
903みそか月なし千年の杉を抱く嵐みそかつきなし/ちとせのすぎを/だくあらし貞享1
904道のべの木槿は馬に食はれけりみちのべの/むくげはうまに/くわれけり貞享1
905道ほそし相撲取り草の花の露みちほそし/すもとりぐさの/はなのつゆ元禄7
906見所のあれや野分の後の菊みどころの/あれやのわきの/のちのきく元禄4?
907皆出でて橋を戴く霜路哉みないでて/はしをいただく/しもじかな元禄6
908皆拝め二見の七五三を年の暮みなおがめ/ふたみのしめを/としのくれ元禄1
909水無月は腹病やみの暑さかなみなづきは/ふくびょうやみの/あつさかな元禄4
910水無月や鯛はあれども塩鯨みなづきや/たいはあれども/しおくじら元禄5
911身にしみて大根からし秋の風みにしみて/だいこんからし/あきのかぜ貞享5
912蓑虫の音を聞きに来よ草の庵みのむしの/ねをききにこよ/くさのいお貞享4
913都出でて神も旅寝の日数哉みやこいでて/かみもたびねの/ひかずかな元禄4
914宮守よわが名を散らせ木葉川みやもりよ/わがなをちらせ/このはがわ貞享1
915見る影やまだ片なりも宵月夜みるかげや/まだかたなりも/よいづくよ寛文?
916見るに我も折れるばかりぞ女郎花みるにわも/おれるばかりぞ/おみなえし寛文?
917見渡せば詠むれば見れば須磨の秋みわたせば/ながむればみれば/すまのあき延宝7
918昔聞け秩父殿さへすまふとりむかしきけ/ちちぶどのさえ/すもうとり貞享~元禄
919麦の穂や涙に染めて啼く雲雀むぎのほや/なみだにそめて/なくひばり元禄4
920麦の穂を便りにつかむ別れかなむぎのほを/たよりにつかむ/わかれかな元禄7
921麦生えてよき隠れ家や畑村むぎはえて/よきかくれがや/はたけむら貞享4
922麦飯にやつるる恋か猫の妻むぎめしに/やつるるこいか/ねこのつま元禄4
923葎さへ若葉はやさし破れ家むぐらさえ/わかばはやさし/やぶれいえ元禄2
924武蔵野の月の若生えや松島種むさしのの/つきのわかばえや/まつしまだね延宝?
925武蔵野や一寸ほどな鹿の声むさしのや/いっすんほどな/しかのこえ延宝3
926武蔵野やさはるものなき君が傘むさしのや/さわるものなき/きみがかさ貞享~元禄
927むざんやな甲の下のきりぎりすむざんやな/かぶとのしたの/きりぎりす元禄2
928掬ぶより早歯にひびく泉かなむすぶより/はやはにひびく/いずみかな貞享1~4
929名月に麓の霧や田の曇りめいげつに/ふもとのきりや/たのくもり元禄7
930名月の出ずるや五十一ヶ条めいげつの/いずるやごじゅう/いっかじょう貞享5
931名月の花かと見えて綿畠めいげつの/はなかとみえて/わたばたけ元禄7
932名月の見所問はん旅寝せんめいげつの/みどころとわん/たびねせん元禄2
933名月はふたつ過ぎても瀬田の月めいげつは/ふたつすぎても/せたのつき元禄4
934名月や池をめぐりて夜もすがらめいげつや/いけをめぐりて/よもすがら貞享3
935名月や海に向かへば七小町めいげつや/うみにむかえば/ななこまち元禄3
936名月や門にさしくる潮がしらめいげつや/かどにさしくる/しおがしら元禄5
937名月や座にうつくしき顔もなしめいげつや/ざにうつくしき/かおもなし元禄3
938名月や児立ち並ぶ堂の縁めいげつや/ちごたちならぶ/どうのえん元禄3
939名月や北国日和定めなきめいげつや/ほっこくびより/さだめなき元禄2
940女男鹿や毛に毛が揃うて毛むつかしめおじかや/けにけがそろうて/けむつかし寛文12
941飯あふぐ嬶が馳走や夕涼みめしあおぐ/かかがちそうや/ゆうすずみ元禄7
942めづらしや山を出羽の初茄子めずらしや/やまをいではの/はつなすび元禄2
943めでたき人の数にも入らむ老の暮れめでたきひとの/かずにもいらん/おいのくれ貞享2
944目にかかる時やことさら五月富士めにかかる/ときやことさら/さつきふじ元禄6
945目に残る吉野を瀬田の蛍哉めにのこる/よしのをせたの/ほたるかな貞享5
946目の星や花を願ひの糸桜めのほしや/はなをねがいの/いとざくら寛文?
947餅花やかざしに插せる嫁が君もちばなや/かざしにさせる/よめがきみ延宝?
948餅雪を白糸となす柳哉もちゆきを/しらいととなす/やなぎかな寛文7
949餅を夢に折り結ぶ歯朶の草枕もちをゆめに/おりむすぶしだの/くさまくら延宝9
950藻にすだく白魚やとらば消えぬべきもにすだく/しらうおやとらば/きえぬべき天和1
951物いへば唇寒し秋の風ものいえば/くちびるさむし/あきのかぜ元禄1~7
952物書いて扇引き裂く名残かなものかいて/おうぎひきさく/なごりかな元禄2
953物好きや匂はぬ草にとまる蝶ものずきや/におわぬくさに/とまるちょう貞享1~4
954物の名を先づ問ふ蘆の若葉かなもののなを/まずとうあしの/わかばかな貞享5
955もののふの大根苦き話哉もののふの/だいこんにがき/はなしかな元禄6
956もの一つ瓢はかろきわが世かなものひとつ/ひさごはかろき/わがよかな貞享3
957物ほしや袋のうちの月と花ものほしや/ふくろのうちの/つきとはな貞享~元禄
958百歳の気色を庭の落葉哉ももとせの/けしきをにわの/おちばかな元禄4
959桃の木のその葉散らすな秋の風もものきの/そのはちらすな/あきのかぜ元禄2
960もろき人にたとへん花も夏野哉もろきひとに/たとえんはなも/なつのかな貞享5
961唐土の俳諧問はん飛ぶ胡蝶もろこしの/はいかいとわん/とぶこちょう天和1
962門に入れば蘇鉄に蘭のにほひ哉もんにいれば/そてつにらんの/においかな元禄2

や行

→索引へ
発句読み制作年
963やがて死ぬけしきは見えず蝉の声やがてしぬ/けしきはみえず/せみのこえ元禄3
964薬欄にいづれの花を草枕やくらんに/いずれのはなを/くさまくら元禄2
965やすやすと出でていざよふ月の雲やすやすと/いでていざよう/つきのくも元禄4
966痩せながらわりなき菊のつぼみ哉やせながら/わりなききくの/つぼみかな貞享4
967宿借りて名を名乗らする時雨かなやどかりて/なをなのらする/しぐれかな元禄4
968宿りせん藜の杖になる日までやどりせん/あかざのつえに/なるひまで貞享5
969柳行李片荷は涼し初真桑やなぎごり/かたにはすずし/はつまくわ元禄7
970藪椿門は葎の若葉かなやぶつばき/かどはむぐらの/わかばかな貞享5
971山陰や身を養はん瓜畠やまかげや/みをやしなわん/うりばたけ貞享5
972山賎のおとがひ閉づる葎かなやまがつの/おとがいとずる/むぐらかな貞享2
973山桜瓦葺くものまづ二つやまざくら/かわらふくもの/まずふたつ元禄3
974山里は万歳遅し梅の花やまざとは/まんざいおそし/うめのはな元禄4
975山路来て何やらゆかし菫草やまじきて/なにやらゆかし/すみれぐさ貞享2
976山城へ井出の駕籠借る時雨哉やましろへ/いでのかごかる/しぐれかな元禄2
977山寺の悲しさ告げよ野老掘りやまでらの/かなしさつげよ/ところほり貞享5
978山寺や石にしみつく蝉の聲やまでらや/いしにしみつく/せみのこえ元禄2
979山中や菊は手折らぬ湯の匂やまなかや/きくはたおらぬ/ゆのにおい元禄2
980山の姿蚤が茶臼の覆かなやまのすがた/のみがちゃうすの/おおいかな延宝4
981山は猫ねぶりて行くや雪の隙やまはねこ/ねぶりていくや/ゆきのひま天和1
982やまぶきの露菜の花のかこち顔なるややまぶきのつゆ/なのはなのかこち/かおなるや天和1
983山吹や宇治の焙炉の匂ふ時やまぶきや/うじのほいろの/におうとき元禄4
984山吹や笠に挿すべき枝の形やまぶきや/かさにさすべき/えだのなり元禄4
985山も庭も動き入るるや夏座敷やまもにわも/うごきいるるや/なつざしき元禄2
986闇の夜や巣をまどはして鳴く鵆やみのよや/すをまどわして/なくちどり元禄4
987闇の夜きつね下這ふ玉真桑やみのよる/きつねしたはう/たままくわ天和1
988病雁の夜寒に落ちて旅寝哉やむかりの/よさむにおちて/たびねかな元禄3
989夕顔に干瓢むいて遊びけりゆうがおに/かんぴょうむいて/あそびけり元禄7
990夕顔に見とるるや身もうかりひよんゆうがおに/みとるるやみも/うかりひょん寛文7
991夕顔の白ク夜ルの後架に紙燭とりてゆうがおのしろく/よるのこうかに/しそくとりて天和1
992夕顔や秋はいろいろの瓢哉ゆうがおや/あきはいろいろの/ふくべかな貞享5
993夕顔や酔うて顔出す窓の穴ゆうがおや/ようてかおだす/まどのあな元禄6
994夕晴れや桜に涼む波の華ゆうばれや/さくらにすずむ/なみのはな元禄2
995夕にも朝にもつかず瓜の花ゆうべにも/あさにもつかず/うりのはな元禄3
996雪薄し白魚しろきこと一寸ゆきうすし/しらうおしろきこと/いっすん貞享1
997雪悲しいつ大仏の瓦葺きゆきかなし/いつだいぶつの/かわらぶき元禄2
998雪散るや穂屋の薄の刈り残しゆきちるや/ほやのすすきの/かりのこし元禄3
999雪と雪今宵師走の名月かゆきとゆき/こよいしわすの/めいげつか貞享1
1000雪の朝独り干鮭を噛み得タリゆきのあさ/ひとりひざけを/かみえたり延宝8
1001雪の中は昼顔枯れぬ日影哉ゆきのなかは/ひるがおかれぬ/ひかげかな天和1
1002雪の河豚左勝水無月の鯉ゆきのふぐ/ひだりかち/みなづきのこい天和2
1003雪間より薄紫の芽独活哉ゆきまより/うすむらさきの/めうどかな貞享~元禄
1004雪や砂馬より落ちよ酒の酔ゆきやすな/うまよりおちよ/さけのよい貞享4
1005雪を待つ上戸の顔や稲光ゆきをまつ/じょうごのかおや/いなびかり元禄4
1006行く秋の芥子に迫りて隠れけりゆくあきの/けしにせまりて/かくれけり元禄6
1007行く秋のなほ頼もしや青蜜柑ゆくあきの/なおたのもしや/あおみかん元禄5
1008行く秋や手をひろげたる栗の毬ゆくあきや/てをひろげたる/くりのいが元禄7
1009行く秋や身に引きまとふ三布蒲団ゆくあきや/みにひきまとう/みのぶとん貞享5
1010行く雲や犬の駆け尿村時雨ゆくくもや/いぬのかけばり/むらしぐれ延宝5
1011行く駒の麦に慰むやどりかなゆくこまの/むぎになぐさむ/やどりかな貞享2
1012行く春に和歌の浦にて追ひ付きたりゆくはるに/わかのうらにて/おいつきたり貞享5
1013行く春や鳥啼き魚の目は泪ゆくはるや/とりなきうおの/めはなみだ元禄2
1014行く春を近江の人と惜しみけるゆくはるを/おうみのひとと/おしみける元禄3
1015行くもまた末頼もしや青蜜柑ゆくもまた/すえたのもしや/あおみかん元禄5
1016湯の名残り幾度見るや霧のもとゆのなごり/いくたびみるや/きりのもと元禄2
1017湯の名残り今宵は肌の寒からんゆのなごり/こよいははだの/さむからん元禄2
1018柚の花や昔しのばん料理の間ゆのはなや/むかししのばん/りょうりのま元禄4
1019夢よりも現の鷹ぞ頼もしきゆめよりも/うつつのたかぞ/たのもしき貞享4
1020湯をむすぶ誓ひも同じ石清水ゆをむすぶ/ちかいもおなじ/いわしみず元禄2
1021酔うて寝ん撫子咲ける石の上ようてねん/なでしこさける/いしのうえ貞享4
1022よき家や雀よろこぶ背戸の粟よきいえや/すずめよろこぶ/せどのあわ貞享5
1023夜着は重し呉天に雪を見るあらんよぎはおもし/ごてんにゆきを/みるあらん天和2
1024夜着ひとつ祈り出して旅寝かなよぎひとつ/いのりいだして/たびねかな元禄4
1025よく見れば薺花咲く垣根かなよくみれば/なずなはなさく/かきねかな貞享3
1026義朝の心に似たり秋の風よしともの/こころににたり/あきのかぜ貞享1
1027義仲の寝覚めの山か月悲しよしなかの/ねざめのやまか/つきかなし元禄2
1028吉野にて桜みせうぞ檜笠よしのにて/さくらみしょうぞ/ひのきがさ貞享5
1029夜すがらや竹氷らする今朝の霜よすがらや/たけこおらする/けさのしも貞享~元禄
1030四つ五器のそろはぬ花見心哉よつごきの/そろわぬはなみ/ごころかな元禄7
1031世におりし人に取らせん木曽の橡よにおりし/ひとにとらせん/きそのとち貞享5
1032世に盛る花にも念仏申しけりよにさかる/はなにもねぶつ/もうしけり貞享~元禄
1033世に匂へ梅花一枝のみそさざいよににおえ/ばいかいっしの/みそさざい貞享2
1034世にふるも更に宋祇のやどりかなよにふるも/さらにそうぎの/やどりかな天和2
1035世の中は稲刈るころか草の庵よのなかは/いねかるころか/くさのいお貞享1~4
1036世の夏や湖水に浮む浪の上よのなつや/こすいにうかむ/なみのうえ貞享5
1037世の人の見付けぬ花や軒の栗よのひとの/みつけぬはなや/のきのくり元禄2
1038四方に打つ薺もしどろもどろ哉よもにうつ/なずなもしどろ/もどろかな貞享1~4
1039夜ル竊ニ虫は月下の栗を穿ツよるひそかに/むしはげっかの/くりをうがつ延宝8
1040よるべをいつ一葉に虫の旅寝してよるべをいつ/ひとはにむしの/たびねして延宝8
1041世を旅に代掻く小田の行きもどりよをたびに/しろかくおだの/いきもどり元禄7

ら行

→索引へ
発句読み制作年
1042蘭の香や蝶の翅に薫物すらんのかや/ちょうのつばさに/たきものす貞享1
1043龍宮も今日の潮路や土用干りゅうぐうも/きょうのしおじや/どようぼし延宝5
1044龍門の花や上戸の土産にせんりゅうもんの/はなやじょうごの/つとにせん貞享5
1045両の手に桃と桜や草の餅りょうのてに/ももとさくらや/くさのもち元禄5
1046留守に来て梅さへよその垣穂かなるすにきて/うめさえよその/かきほかな天和4
1047留守のまに荒れたる神の落葉哉るすのまに/あれたるかみの/おちばかな元禄4
1048六月や峰に雲置く嵐山ろくがつや/みねにくもおく/あらしやま元禄7
1049六里七里日ごとに替る花見哉ろくりななり/ひごとにかわる/はなみかな貞享5
1050艪の声波を打って腸凍る夜や涙ろのこえなみをうって/はらわたこおる/よやなみだ延宝8
1051炉開きや左官老い行く鬢の霜ろびらきや/さかんおいゆく/びんのしも元禄5

わ音

→索引へ
発句読み制作年
1052わが衣に伏見の桃の雫せよわがきぬに/ふしみのももの/しずくせよ貞享2
1053我がためか鶴食み残す芹の飯わがためか/つるはみのこす/せりのめし天和?
1054若葉して御目の雫ぬぐはばやわかばして/おんめのしずく/ぬぐわばや貞享5
1055我が宿は蚊の小さきを馳走かなわがやどは/かのちいさきを/ちそうかな元禄3
1056わが宿は四角な影を窓の月わがやどは/しかくなかげを/まどのつき貞享1
1057別れ端や笠手に提げて夏羽織わかればや/かさてにさげて/なつばおり貞享~元禄
1058煩へば餅をも喰はず桃の花わずらえば/もちをもくわず/もものはな貞享3
1059忘るなよ薮の中なる梅の花わするなよ/やぶのなかなる/うめのはな貞享4
1060忘れ草菜飯に摘まん年の暮わすれぐさ/なめしにつまん/としのくれ延宝6
1061忘れずば小夜の中山にて涼めわすれずば/さよのなかやま/にてすずめ貞享1
1062早稲の香や分け入る右は有磯海わせのかや/わけいるみぎは/ありそうみ元禄2
1063綿弓や琵琶に慰む竹の奥わたゆみや/びわになぐさむ/たけのおく貞享1
1064侘びて澄め月侘斎が奈良茶歌わびてすめ/つきわびさいが/ならちゃうた延宝9
1065我富めり新年古き米五升われとめり/しんねんふるき/こめごしょう天和2
1066我に似るなふたつに割れし真桑瓜われににるな/ふたつにわれし/まくわうり元禄3
1067我も神のひさうや仰ぐ梅の花われもかみの/ひそうやあおぐ/うめのはな延宝4
1068笑ふべし泣くべしわが朝顔の凋む時わろうべしなくべし/わがあさがおの/しぼむとき天和1

末尾

→索引へ

 


  

「松尾芭蕉 発句集」解説

・ 芭蕉の発句を五十音順に並べた。

 

・ かな・漢字などは、以下のような変更もしている。

 

・ 「読み」は、現代仮名遣いで表記。

 


  

松尾芭蕉 発句集(五十音順)

五十音索引